Press release
Japan
December 4, 2012

エボニックが高品質自動車タイヤ向け、湿式シリカ事業を大幅に拡大

• 湿式シリカの生産能力を世界規模で2014年までに30%増強(2010年対比)することを計画。
• 設備投資額は、数千万ユーロに及ぶ見込み。 
• 転がり抵抗の低い低燃費タイヤへの需要増加を背景に、世界規模で事業の成長が見込まれる。 


エボニック インダストリーズAGは引き続き、高品質自動車タイヤ向け湿式シリカ事業の成長戦略を推進しています。資源効率の向上に繫がる製品・ソリューションの開発に取り組む部門の責任者であり、取締役のトーマス・ヘーベレによれば、「湿式シリカの生産能力を2014年までに2010年対比で約30%増強することを目的とした設備投資は、既に計画の約半分が達成」 されています。シリカ事業において世界のマーケット・リーダーであるエボニックは、総額数千万ユーロに及ぶ資金を設備増強に投じています。「このような設備投資を通じて当社は、タイヤ業界の主要顧客の成長ニーズに遅れることなく対応しています。私たちが事業を展開するにあたり念頭に置いているのは、世界的なメガトレンドです。湿式シリカは主に、高品質の自動車タイヤの材料になっています。我が社の湿式シリカ事業は、資源効率の向上という世界的な課題に貢献しています」とヘーベレは強調しています。

湿式シリカの市場が発展・拡大している背景として、転がり抵抗の低い高品質タイヤに対するニーズの高まりがあげられます。実際、欧州では、2012年11月からタイヤ・ラベリング制度が義務化されました。このラベリング制度とは、燃費性能、二酸化炭素(CO2)排出削減、ウェットグリップ性能、そしてタイヤ騒音などに関する明確な情報を消費者へ提供することを目的とした等級制度です。日本でも既に、このラベリング制度が任意に導入されています。韓国やブラジルなどの国々も、それぞれ独自の制度を設けて欧州や日本に追随する動きを見せています。さらに、消費者の間に自動車が普及し始めたばかりで、自動車市場が成長途上にある国―特に中国―についても、低燃費タイヤの潜在的な普及余地は極めて大きいと言えます。

シリカは、シランとともに、タイヤゴムの強度を高めるフィラー(補強用充填剤)として使用されており、タイヤ性能の大幅な向上に貢献しています。シリカ-シラン・フィラー・システムの場合、転がり抵抗の大幅な低減が可能で、(従来型の自動車タイヤと比べた場合)燃料を8%も節約することができます。同時に、シリカ-シラン・フィラー・システムでは、雨天時や冬のような気象条件の下でも高いグリップ性能が担保されます。エボニックは、そうしたタイヤゴム用添加剤を製造している唯一無二のメーカーであり、省エネおよび交通安全に資するソリューション開発に貢献しています。

インオーガニックマテリアルズ部門の責任者であるオーマー氏は、「欧州およびアジア地域では既に、湿式シリカ(自社商標ULTRASIL®およびSIPERNAT®)の生産能力の増強を実現しています」と述べています。エボニックは、世界9ヵ国10拠点で湿式シリカを生産しています。湿式シリカの需要動向についてオーマー氏は、「需要は当初、欧州で増加し始めましたが、今ではアジアや北米地域でも増加傾向にあります。今後、他の地域においても需要増が見込まれます」とコメントしています。

ゴム・タイヤ業界にとり、エボニックは、高性能タイヤ・コンパウンドの開発にあたり、専門知識・技術に長けたパートナー的存在です。ラバー・リインフォースメント(ゴム補強)のための革新的な製品やその技術的知見を通じて、エボニックは、自動車関連産業が直面するニーズに応えるソリューションを顧客企業へ提供しています。また、エボニックは現在、シリカおよびシランに関する知識の集積地そして開発推進の拠点となる新たな開発センターの設立をドイツ・ヴェッセリングで進めています。

湿式シリカは、転がり抵抗の低い低燃費タイヤの材料になるばかりでなく、食品・動物飼料業界では粉末化剤や流動性改良剤として、そして塗装・コーティング業界では添加剤として使用されています。また、エボニックでは、シリコンゴム、塗料または接着剤、シーラントなど多くの製品に使われるフュームド・シリカ(AEROSIL®)も生産しています。フュームド・シリカは、選択的に使用すると、様々な素材の表面や特性を向上させることができます。チップ業界は、エボニック製AEROSIL®を、シリコン・ウエハーを磨くための研磨剤に使用しています。また、AEROSIL®は、塗料の添加剤として使用した場合には、塗料の耐スクラッチ性を高めることができます。エボニックの場合、湿式シリカやフュームド・シリカ、そして艶消し剤としてのシリカの年間生産能力は、世界の生産拠点を合計すると約50万トンに及びます。

以上 

(このプレスリリースは2012年11月13日にドイツで発表されたものの翻訳版です)

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