エボニックとシーメンス、二酸化炭素を原料に環境に優しい電力から高付加価値スペシャルティケミカルを生産

2018年1月24日

• 共同研究プロジェクト「レクティス」を始動
• テストプラントでは「グリーンケミストリー」の生産を行い、エコ・エネルギーの貯蔵施設としての機能も構築
• プラント第一号の生産能力は、年間2万トンの見込み

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)とシーメンス(本社:ドイツ、ベルリンおよびミュンヘン)は、再生可能資源やバクテリアで生産された電力を使い、二酸化炭素(CO2)からスペシャルティケミカルを生産する計画に取り組んでいます。現在両社は、「レクティス」という電気分解や発酵工程に関する2年にわたる共同研究プロジェクトを展開しています。テストプラント第一号の操業は、特殊プラスチックや栄養補助食品の原料としても使われるブタノール、ヘキサノールなどの化学品の生産をエボニックが行っているドイツ・マールの生産拠点で2021年までに開始する予定です。次のステップでは、年間2万トンの生産能力を持つプラントを完成させ、さらに、その他のスペシャルティケミカルや燃料の生産を行うことも検討しています。本プロジェクトには、両社から派遣された20名あまりの研究者が参加しています。

「今よりずっと費用対効果が高く、環境に優しい方法で化学製品の生産を可能にするプラットフォームの開発に取り組んでいます」と、シーメンス・コーポレート・テクノロジーの技術プロジェクト責任者、ギュンター・シュミット(Dr. Günter Schmid)が説明しています。「このプラットフォームを使えば、将来、各事業者が、それぞれのニーズに見合ったプラントの規模にすることができるようになるでしょう」。また新技術は、多くの利点を組み合わせることも可能になります。持続可能な方法で化学品を生産するだけでなく、エネルギーの貯蔵もできるようになるため、電力需要の変動に対応し電力網の安定化にもつながります。レティクスは「コペルニクス・プロジェクト」というエネルギーシステム再構築に向けて新たなソリューションを模索しているドイツで実施中のエネルギー転換に関する研究にも関連しています。レティクス・プロジェクトに対し、ドイツ連邦教育科学研究技術省(BMBF)は280万ユーロの助成金を交付する予定です。

「レティクスのプラットフォームを利用して、人工光合成が可能であることを示したいと考えています」と、エボニックの戦略的なイノベーション部門であるクレアヴィス(Creavis)のプロジェクト責任者トーマス・ハース(Dr. Thomas Haas)は話しています。人工光合成とは、化学的・生物学的な過程を組み合わせ、葉がクロロフィル(葉緑素)と酵素を使ってグルコースを合成するのと同じような方法で、二酸化炭素と水を化学品に変換する働きのことです。
シーメンスとエボニックは、それぞれの得意分野を持ち寄り本共同研究に取り組んでいます。シーメンスの電気分解技術は、電気を使って水と二酸化炭素を水素と一酸化炭素に変換する第一段階に利用しています。エボニックの発酵工程技術は、特殊微生物の力を借りて一酸化炭素を含む気体から代謝過程により有益な物質に変換する工程に活用しています。レティクス・プロジェクトでは、電気分解と発酵という2つの工程がそれぞれの研究所からスケールアップして、技術試験施設で融合しています。

「レティクスには、エボニックとシーメンスの専門分野が結集されています。この研究プロジェクトを通して、パワー・トゥー・エックス(Power-to-X:余剰電力の貯蔵)という概念をどのように適用できるかということについて示していきたい」とドイツ連邦教育科学研究技術省のカール・オイゲン・フートマッハー(Dr. Karl Eugen Hutmacher)は述べています。電気を使って化学品を生産するという考えは、パワー・トゥー・エックスの概念に基づきます。これはコペルニクス・プロジェクトの4本柱のうちの1つのテーマであり、効率的な再生可能エネルギーの転換および貯蔵を目指す考えなのです。またレティクスのプラットフォームは原料として二酸化炭素を使うため、大気中の二酸化炭素濃度を削減するという効果をもたらします。例えば1トンのブタノールを生産するのに、3トンの二酸化炭素が必要となります。

エボニックとシーメンスは、レティクスのプラットフォームの未来に大きな可能性を見出しています。このプラットフォームにより、プラントの規模を希望のサイズに変えることができようになるため、化学産業は地域の状況に応じて柔軟に対応することが可能となるのです。今後、レクティスのプラットフォームは、例えば発電所の廃棄ガスやバイオガスなど、二酸化炭素の供給源がある場所ならどこでも設置することができるようになる見込みです。
「新たなプラットフォームは、そのモジュールの性質や立地に関する柔軟性、原料源や生産される物質などにより、特にスペシャルティケミカル業界にとって魅力的なものです」と、ハース(Haas)博士は述べています。またシュミット(Schmid)博士は、「他社もこのプラットフォームを利用し、各社のモジュールに取り入れて化学品の生産を行うようになると確信しています」とコメントしています。

 

本プレスリリース、写真、その他の情報は下記リンクから
http://corporate.evonik.com/en/media/press_releases/Pages/news-details.aspx?newsid=72457

レクティス・プロジェクトについて詳しくはこちらから
解説動画:https://youtu.be/eCt0bgZn9Ws
エボニックとシーメンスによる「ネイチャーカタリシス」での発表論文
https://www.nature.com/articles/s41929-017-0005-1

(本プレスリリースは、2018年1月18日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)

 

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  • エボニック インダストリーズについて

    ドイツのクリエイティブな産業グループであるエボニックは、スペシャルティケミカルの世界的リーダーです。専門性の高いビジネス、顧客中心の革新的な技術力、信頼できるパフォーマンス志向の企業文化は、エボニックの企業戦略の根幹であり、収益性の高い成長と持続的な企業価値向上に貢献します。エボニックが優位性を誇るマーケットから企業利益の多くはもたらされています。エボニックは100ヶ国以上で事業を展開し、2016年度は36,000人以上の社員を有し、総売上高は約127億ユーロ、EBITDA(金利・税金・償却前利益)は約21.65億ユーロを計上しました。

  • シーメンスについて

    シーメンス(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、165年以上にわたり、卓越したエンジニアリング、イノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバル企業でありつづけています。私たちシーメンスは、「電化」「自動化」「デジタル化」の領域を成長分野とし、世界200ヶ国以上で事業を展開しています。シーメンスはエネルギー効率に優れた省資源技術を世界で最も多く提供している企業のひとつであると同時に、高効率な発電、送電ソリューションにおけるリーディングサプライヤーであり、インフラソリューションならびに産業向け自動化ソリューションとソフトウェア・ソリューションにおけるパイオニアでもあります。さらにコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴イメージング(MRI)システムなどの医療画像機器を提供する有力企業、検査室診断や臨床ITシステムのリーダー的存在でもあります。2017年9月期の収益は830億ユーロ、純利益は62億ユーロを計上しています。2017年9月末おける全世界の社員数は、37万7千人です。さらに詳しい情報については、ホームページ(www.siemens.com)をご覧ください。

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    このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。