VESTALITE® Sを使用したエポキシSMCで作られたリム
VESTALITE® Sを使用したエポキシSMCで作られたリム
Press release
Crosslinkers
October 15, 2019

エボニックの新しいエポキシ硬化剤VESTALITE® S ~複合材料の設計自由度を高め、eモビリティや自動車の軽量化を実現~

エボニック インダストリーズ(本社:エッセン、ドイツ)は、高性能シートモールディングコンパウンド(SMC)の技術特性や作業性を向上させる新しいエポキシ硬化剤VESTALITE® Sを開発しました。これにより、複合材料の設計の自由度を高め、eモビリティや自動車の軽量化に貢献します。

エボニック インダストリーズ(本社:エッセン、ドイツ)は、高性能シートモールディングコンパウンド(SMC)の技術特性や作業性を向上させる新しいエポキシ硬化剤VESTALITE® Sを開発しました。これにより、複合材料の設計の自由度を高め、eモビリティや自動車の軽量化に貢献します。

現在、ポリエステル樹脂から製造される従来の標準的なSMCの機械特性は、曲げ強度200 MPa、曲げ弾性率10,000 MPa、比重1.7 g/cm³から1.85 g/cm³における衝撃強度90kJ/m2程度が一般的です。これを用い、車両向けトリムやハブキャップが製造されています。

しかし、軽量化構造、eモビリティを実現するためには、より軽量でより高い機械特性を持つ素材へのニーズが高まっています。

「ポリエステル樹脂に代わってエポキシ樹脂を含有するSMCの特性は著しく向上しています」と、Lorenz Kunststofftechnik(ロレンツ・クンストシュトフテクニック)GmbHのセールスマネージャー、ペーター・オームス(Peter Ooms)は説明しています。「しかし、今までは熱硬化性プラスチックの取り扱いが難しく、実用的な選択肢ではありませんでした。」

Lorenz Kunststofftechnik GmbHは、実績のあるSMCの基本構成素材をベースに軽量化と耐燃性についてのすべての要件を満たすエポキシSMCを開発しました。その主要な構成分はジアミン系エポキシ硬化剤VESTALITE®Sです。

「VESTALITE®Sは、エポキシ樹脂と組み合わせることにより、容易かつ素早い取り扱いが可能なSMCとなります」と、エボニックのクロスリンカー事業部、複合材料および接着剤のマーケティング責任者、ライフ・イッカート(Leif Ickert)工学博士はコメントしています。

VESTALITE®Sで製造されるSMCモールド材は、硬化する前の高い貯蔵安定性が確認でき、尚且つ3分以内というスピードで硬化します。「その上、プレス中の半成品の流動特性、変形特性も向上しているため、品質の高い構成を可能にします」と、イッカートは付け加えます。これらのSMCはスチレンの排出量はなく、VOCの排出量は非常に低いため、自動車内装を構成する材料として適しています。

エポキシ、グラスファイバー強化剤およびフィラーから作成された複合材料の比重は1.5から1.7 g/cm³で、流動特性は良好です。また、機械特性は、曲げ強度 > 350 MPa、曲げ弾性率 > 18,500 MPa、衝撃強度 > 150 kJ/m2となっています。この素材は非常に耐燃性に優れ、マイナス30 °Cの低温でも高い衝撃強度があります。そのため、もろさや破損のリスクもありません。

この特性により、エポキシSMCが電気やハイブリッド自動車のバッテリーケースデザインに理想的な材料となります。このような部品は、重いバッテリーを支え、衝突時の運動エネルギーに耐えうる強度、安定性があることや、火災時にさらなるリスクをもたらすことがないことが求められるため、今までスチールやアルミで作られていました。

Lorenz Kunststoffe GmbHは、10月16日から23日にデュッセルドルフで開催される「Kトレードフェア」でこの新しいエポキシSMCを初出展します(ホール7a、スタンドC35)。また、エボニックのブース(ホール6、スタンドB28)では、本製品やスペシャルティケミカルグループの他の高機能素材をご紹介します。

(このプレスリリースは2019107日にドイツで発表されたものを翻訳しています)

エボニック インダストリーズについて

エボニックはスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。専門性の高いビジネス、顧客中心の革新的な技術力、信頼できるパフォーマンス志向の企業文化は、エボニックの企業戦略の根幹であり、収益性の高い成長と持続的な企業価値向上に貢献します。エボニックが優位性を誇るマーケットから企業利益の多くはもたらされています。100カ国以上で事業を展開し、2018年度の従業員が32,000人を超える継続事業の売上高は133億ユーロ、EBITDA(金利・税金・償却前利益)は21.5億ユーロを計上しました。

リソースエフィシエンシーについて

リソースエフィシエンシー事業は、リソースエフィシエンシーGmbHにより運営されており、エネルギー効率に優れると共に、環境に優しい高性能材料を自動車、塗料コーティング、接着剤、建設その他の産業に提供しています。この事業部門会社は、約10,000人の社員を有し2018年には55億ユーロの売上高でした。

クロスリンカーについて

クロスリンカーは、コーティングと接着剤、および高性能エラストマーや複合材料向けに幅広い製品を提供しています。イソホロン化学に基づいた製品に加え、常温・熱硬化用途向けのアミン硬化剤など、優れた機械的強度、耐久性、耐薬品性、接着特性により、主に工業用途で使用されています。

免責事項

このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。