Press release
Corporate Press
October 30, 2019

エボニックとシーメンス、 共同研究プロジェクト「レティクス(Rheticus)」の第2フェーズを始動 人工光合成プロセスからスペシャルティケミカルを製造

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)とシーメンス(本社:ドイツ、ベルリンおよびミュンヘン)は、10月10日、共同研究プロジェクト「レティクスII(Rheticus II)」を始動しました。本プロジェクトは、再生可能資源とバクテリアから作る電力を使い、二酸化炭素(CO2)と水からスペシャルティケミカルを製造する高効率で強力なテストプラントを開発することを目指しています。「レティクスI」において、両社は2年にわたりバイオリアクターと電解槽を使った人工光合成を技術的に実現可能とする基盤構築に取り組みました。現在両社は、かつては別々だった2つのプラントをエボニックのマール(ドイツ)にあるテスト施設に集約しています。本プロジェクトは、2021年まで続き、その間ドイツ連邦教育研究省(BMBF)より350万ユーロの助成を受けます。

本プロジェクトは、再生可能資源とバクテリアから作る電力を使い、二酸化炭素(CO2)と水からスペシャルティケミカルを製造する高効率で強力なテストプラントを開発することを目指しています。「レティクスI」において、両社は2年にわたりバイオリアクターと電解槽を使った人工光合成を技術的に実現可能とする基盤構築に取り組みました。現在両社は、かつては別々だった2つのプラントをエボニックのマール(ドイツ)にあるテスト施設に集約しています。本プロジェクトは、2021年まで続き、その間ドイツ連邦教育研究省(BMBF)より350万ユーロの助成を受けます。

「レティクスで使われる革新的な技術は、ドイツのエネルギー転換に成功をもたらす可能性があります」と、エボニックのレティクスプロジェクト責任者トーマス・ハース(Thomas Haas)はコメントしています。「将来的には、例えば発電所やバイオガスプラントなど、二酸化炭素が手に入るところであれば、どこでもこのプラットフォームを設置できるようになり、二酸化炭素を原材料に人工光合成を利用しスペシャルティケミカルを製造することができるようになるでしょう」と続けます。シーメンスは、本プロジェクトに世界初の二酸化炭素電解槽を提供しています。「エネルギー転換が提起するさまざまな課題の解決策に向け、柔軟なシステムを開発しています」と、シーメンスのパワー・トゥー・エックス(Power2X)プロジェクト責任者カール=ヨーセフ・クーン(Karl-Josef Kuhn)は述べています。「再生可能エネルギーをスペシャルティケミカルや燃料などの有用な物質に変換させることにより、そのエネルギーの貯蔵が可能になります。その上、電力供給の変動に対応して柔軟に製造できるので、電力網の安定にも貢献します」。

2020年初め、このテストプラントは操業開始の予定です。電解装置とバイオリアクターから構成され、第一段階では電解装置で電気を用いて二酸化炭素と水が一酸化炭素(CO)と水素に変換されます。次に特殊な微生物がこの方法で生成された気体の中の一酸化炭素を化学物質に変換させます。シーメンスとエボニックは、それぞれの得意分野である電解装置とバイオテクノロジーでこの人工光合成のプロセスに寄与しています。人工光合成とは、エネルギーを使い、二酸化炭素と水から成る化学品を製造できるよう、化学的および生物学的過程を組み合わせることを意味します。植物は天然の光合成で同じようなプロセスを行います。クロロフィル、酵素と日光で生命に不可欠で高エネルギーな栄養素、ブドウ糖を生成します。レティクスのもう一つの利点は、二酸化炭素を原料とするため、大気中の二酸化炭素レベルの軽減に貢献できるということです。例えば、1トンのブタノールを製造するのに二酸化炭素が3トン使用されます。

この合成モジュールは、2019年春にエボニックで操業開始となり、中心となるのは、高さ8メートル、容量2,000リットルのステンレス製バイオリアクターです。主要原材料は、水素と一酸化炭素です。シーメンスは、2019年夏にコンテナと一体化された完全自動二酸化炭素電解装置を開発しました。世界初のこの二酸化炭素電解装置は、10の電解槽から構成され、電極の合計表面積は3,000平方センチメートルになります。

電解装置とバイオリアクターは今後数カ月で統合され、バイオリアクターで液体処理するユニットでは、高純度の化学品が製造される構造です。

このテストプラントでは、微生物が研究向けにブタノールとヘキサノールを製造し、これらはスペシャルティ・プラスチックや栄養補助食品などの出発物質として利用されます。しかし、微生物の種類や条件により、他のスペシャルティケミカルの製造も考えられます。

「レティクスII」が成功することで、エボニックとシーメンスは、二酸化炭素からスペシャルティケミカルや人工燃料などの有用で高エネルギー物質を柔軟なモジュール工程によって製造する、独自の技術プラットフォームを有することになります。

(本プレスリリースは、20191010日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)

エボニック インダストリーズについて

エボニックはスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。専門性の高いビジネス、顧客中心の革新的な技術力、信頼できるパフォーマンス志向の企業文化は、エボニックの企業戦略の根幹であり、収益性の高い成長と持続的な企業価値向上に貢献します。エボニックが優位性を誇るマーケットから企業利益の多くはもたらされています。100カ国以上で事業を展開し、2018年度の従業員が32,000人を超える継続事業の売上高は133億ユーロ、EBITDA(金利・税金・償却前利益)は21.5億ユーロを計上しました。

シーメンスについて

シーメンス(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、165年以上にわたり、卓越したエンジニアリング、イノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバル企業でありつづけています。私たちシーメンスは、「電化」「自動化」「デジタル化」の領域を成長分野とし、世界200ヶ国以上で事業を展開しています。シーメンスはエネルギー効率に優れた省資源技術を世界で最も多く提供している企業のひとつであると同時に、高効率な発電、送電ソリューションにおけるリーディングサプライヤーであり、インフラソリューションならびに産業向け自動化ソリューションとソフトウェア・ソリューションにおけるパイオニアでもあります。さらにコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴イメージング(MRI)システムなどの医療画像機器を提供する有力企業、検査室診断や臨床ITシステムのリーダー的存在でもあります。2018年9月期の収益は830億ユーロ、純利益は61億ユーロを計上しています。2018年9月末おける全世界の社員数は、37万9千人です。さらに詳しい情報については、ホームページ(www.siemens.com)をご覧ください。

免責事項

このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。