Press release
Japan
November 28, 2011

エボニックが高活性原薬の研究所と生産能力を拡大

  • 有望な医薬品市場への投資
  • ドイツ・ハーナウに高活性原薬を製造できるラボ(HPAPI)を設立
  • ティペカヌー研究所(米インディアナ州ラファイエット)においてcGMP(医薬品等製造管理基準)に準拠したキログラム規模のHPAPI生産能力を拡大 


    エボニック インダストリーズ(ドイツ・エッセン)は、ハーナウにある当社施設内にHPAPI を製造できるラボを設立すると同時に、ティペカヌー研究所(米インディアナ州ラファイエット)においてcGMP に準拠したキログラム規模のHPAPI 生産能力を拡大しました。新しいラボの開設により、今後エボニックはドイツでもHPAPI 合成法の開発および最適化が行えるようになります。米国の施設にはこれに対応する研究設備が設置されています。拡大後のHPAPI の製造能力は、計170 m3 に達します。このうち約135 m3 はトンスケールのHPAPI 生産に使用され、残り約35 m3 は小バッチ生産および開発用数量の製造に使用されています。当社に新設されたヘルスケアビジネスラインの受託合成プロダクトライン責任者であるクラウス・スティングル氏は「受託合成に関しては、HPAPI の臨床段階から商業化まで全範囲に対応することができるようになりました」と述べています。

    HPAPI は、低い投与量でも効果を発揮する高活性原薬です。効果的な治療効果を得るための必要量は、体重1 キログラム当たり最大0.2 ミリグラムまたは1 日当たり10ミリグラムに過ぎません。このような活性物質には、ホルモン、ペプチド、癌治療用のサイトスタティック(細胞増殖抑制剤)が含まれます。「臨床段階のHPAPI の合成法開
    発および小バッチ生産に対する需要は、過去数年間に大幅に増加しています」とスティングルは指摘しており、ハーナウとティペカヌーにおける投資の有用性を強調しています。今回の動きの背景には、腫瘍と内分泌疾患の治療における新たな進展があります。

    高活性であるHPAPI の取扱いに際しては、環境、研究員、生産スタッフに対する保護措置を講じなければなりません。エボニックのすべてのHPAPI 施設は、作業環境の空気1 立方メートル当たりの限界値(TWA:8 時間の許容曝露限界値)がわずか0.1 マイクログラムで高活性物質を取扱うことができるように設計されています。

    「現在、HPAPI の取扱いが許可されている会社は、世界に数社しか存在しません」とエボニックのティペカヌー施設で高活性物質の受託合成を統括するケビン・ヘールは話しています。「その数少ないサプライヤーの1 社であるエボニックは、それぞれ異なる作業環境の低限界値に対応することも可能であるため、最もパフォーマンスの高い サプライヤーのひとつに数えられます。このような高活性物質は、例えばがん性腫瘍の治療などに対する有効性が極めて高いので、健康な人に有害な影響を与える可能性がありますが、エボニックの施設では安全に取扱うことが可能です。」
    HPAPI の受託合成は、エボニックが米国の製薬企業であるイーライリリー社から2010年初めに買収したティペカヌー施設で主に行われています。同施設で働く約650 名の従業員は、HPAPI の取扱い、合成法開発、製造に関して20 年以上の経験を有しています。このたびハーナウにも同様のラボが設立されたことで、エボニックの高度な専門知識がヨーロッパでも活用されるようになります。


    (このリリースは11 月15 日にドイツでリリースされたものの翻訳です)

    エボニック インダストリーズについて
    エボニック インダストリーズはドイツのクリエイティブな産業グループです。私たちのコアビジネスであるスペシャルティケミカルでは世界的リーダーとなっています。また発電事業や不動産部門も保有しています。私たちの業績は創造性・専門性・自己革新力・信頼性によって作り上げられています。

    エボニック インダストリーズは世界100ヶ国以上で活動しており、2010年度は34,000人の社員を有し、総売上高は133億ユーロ、EBITDA(金利・税金・償却前利益)は24億ユーロを計上しました。

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