エボニック、フュームドシリカの製造プロセスイノベーションで生産工程を簡素化
エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)のコーティングアディティブス・ビジネスラインが取り扱うフュームド酸化物「AEROSIL®」の製造工程が刷新され、シリカの湿潤と分散に関して、今まで2つの別システム(ディゾルバー分散機とビーズミル分散機)で処理されていた工程がディゾルバー分散機による一つの工程だけで行うことができるようになりました。
「easy-to-disperse silica (E2D)」(簡易分散シリカ)と呼ばれるシリカを利用し、処理時間、清掃時間、生産ロスが削減されます。さらに、ビーズミル分散の工程を省略することで投資額やメンテナンス費も削減されます。
塗料系における加工特性、レオロジー効果や光学的特性を比較するために、標準的な製品を従来のビーズミル分散方法で処理したものと、試作品(E2D製品)をディゾルバー分散機のみで処理したものを比較するテストを実施しました。粘性、光沢、ヘイズ、漆黒度(色濃度)や耐ひっかき性の改善(VP RS 920)に関する結果は同等で誤差の範囲内でした。
高せん断速度と低せん断速度における粘度曲線は、粘度上昇の許容範囲内で一致していました。これは、E2D製品の長所をよく表しており、同水準の効果と同一の光学特性を達成できるため、コーティング剤の製造会社は既存のフォーミュレーションを調整する必要がなく、従来のコーティング剤の処方にしたがって新たな製法を開発することもできます。加えて、フュームドシリカのE2Dグレードは、対応するAEROSIL® 製品と化学構成が同一です。ここで強調すべき重要なポイントは、製造過程でいかなる添加物も加えられていないため、これまでの標準製品と同様の塗料系との相溶性があるということです。
現在、VP RS 92、VP RS 82、VP RS 85およびVP RS 920の試作サンプルのご提供が可能で、これらはAEROSIL® R 972、AEROSIL® R 812、AEROSIL® R 805とAEROSIL® R 9200のE2Dグレードです。フュームドシリカ AEROSIL®は主に自動車や工業用コーティング剤で使用されており、チキソトロピー性付与剤、沈降防止剤としてレオロジー性をコントロールしたり、サビおよび腐食を防止するために使用されています。
なお、エボニックはドイツ・ニュルンベルクで行われる「ヨーロピアン・コーティングショー2019」(3月19~21日開催)に出展します(7Aホール、323番ブース)。
(このプレスリリースは2019年3月4日にドイツで発表されたものを翻訳しています)
エボニック インダストリーズについて
エボニックはスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。専門性の高いビジネス、顧客中心の革新的な技術力、信頼できるパフォーマンス志向の企業文化は、エボニックの企業戦略の根幹であり、収益性の高い成長と持続的な企業価値向上に貢献します。エボニックが優位性を誇るマーケットから企業利益の多くはもたらされています。100カ国以上で事業を展開し、2018年度は36,000人以上の従業員を有し、総売上高は150億ユーロ、EBITDA(金利・税金・償却前利益)は26億ユーロを計上しました。
リソースエフィシエンシーについて
リソースエフィシエンシー事業は、リソースエフィシエンシーGmbHにより運営されており、エネルギー効率に優れると共に、環境に優しい高性能材料を自動車、塗料コーティング、接着剤、建設その他の産業に提供しています。この事業部門会社は、約10,000人の社員を有し2018年には57億ユーロの売上高でした。
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