2020年第3四半期業績発表
エボニック、危機をうまく乗り切る
厳しいマクロ経済環境が続く中、エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)は危機的状況にうまく対処しています。10月15日に発表した速報値を確定し、第3四半期の調整後EBITDAは、前年同期比わずか4%減の5億1,900万ユーロ、売上高は、29億2,000万ユーロ(前年同期:32億3,000万ユーロ)となりました。
• 調整後EBITDAは前年同期比わずか4%減の5億1,900万ユーロ、売上高は29億ユーロ
• 調整後EBITDAの通年見通しは、18億ユーロから20億ユーロの範囲
• 2020年度フリーキャッシュフロー見通しを上方修正
取締役会長クリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「発表済みの速報値を確定し、市場の予想を明らかに上回る業績を達成できたことを嬉しく思います。昨年から実施してきた戦略的措置が功を奏し、うまく危機を乗り切れています」と述べています。
第3四半期の業績に続き、2020年の通年見通しも確定しました。17億ユーロから21億ユーロの範囲で見込んでいた調整後EBITDAを、18億ユーロから20億ユーロ(2019年:21.5億ユーロ)の範囲に修正しました。売上高の見通しは115億から130億ユーロの範囲で(2019年:131億ユーロ)、変更はありませんでした。
フリーキャッシュフローの通年見通しも上方修正し、2020年度は約7億ユーロ(2019年度キャッシュフロー:7億1,700万ユーロ、メタクリレート事業売却に伴う税金を含まない)を見込んでいます。調整後EBITDAに対するフリーキャッシュフロー、いわゆるキャッシュフロー率の見通しは、前年並みの33.3%以上から35%以上に修正しました。
CFOウテ・ヴォルフ(Ute Wolf)は、「コロナ危機はまだ収束しておらず、視界不良の状況が続いています。それでも私たちは皆様に約束したことを実行しています」とコメントしています。
第3四半期には、前年同期並みの3億1,200万ユーロのフリーキャッシュフロー(2019年度第3四半期キャッシュフロー:3億2,100万ユーロ、メタクリレート事業売却に伴う税金を含まない)を創出することができました。
事業部門ごとの業績
スペシャルティアディティブス:高い回復力、安定した価格、27.5%の持続可能な高利益率が同部門の特徴となっています。建設や再生可能エネルギーなどのエンドマーケットにおける事業展開は堅調に推移しており、政府の景気刺激策の恩恵も受けています。特に自動車業界向けのコーティング剤に対する需要は第2四半期より回復したものの、依然として前年同期を下回っています。スペシャルティアディティブスの第3四半期売上高は、前年同期比10%減の7億7,700万ユーロ、調整後EBITDAは8%減の2億1,400万ユーロとなりました。
ニュートリション&ケア:第3四半期売上高は、前年同期比2%減の7億1,500万ユーロとなりました。主な展開としては、ヘルスケア分野での需要が高まったことが挙げられます。必須アミノ酸は為替の影響で売上高がわずかに減少しましたが、販売価格は前年同期比を大幅に上回りました。調整後EBITDAは18%増の1億4,000万ユーロとなりました。
スマートマテリアルズ:第3四半期の業績は、第2四半期に比べて明らかに好調であったものの、売上高、利益ともに前年同期を下回りました。世界的な景気減速の影響を受け、自動車業界の新車事業を中心に様々な業界で販売量が減少し、とりわけ高機能ポリマーやタイヤ業界向けのシリカでその傾向が顕著に現れました。一方で、ペルオキシ・ケム社(PeroxyChem)の買収は、大きなプラス効果をもたらしました。第3四半期の売上高は5%減の7億9,000万ユーロ、調整後EBITDAは13%減の1億3,700万ユーロとなりました。
パフォーマンスマテリアルズ: C4分野の製品は、主に自動車業界や燃料業界の需要縮小を受け、売上高が減少しました。原油価格の大幅な下落も事業を圧迫しました。第3四半期の売上高は27%減の4億4,400万ユーロ、調整後EBITDAは43%減の2,800万ユーロとなりました。
(本プレスリリースは、2020年11月3日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2019年度は、131億ユーロの売上、21.5億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、32,000人以上の社員が働いています。
アジア・パシフィック・リージョンについて
エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2019年度は、28.7億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。
免責事項
このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。