Press release
Health Care
February 18, 2021

エボニック、新型コロナウイルスワクチンで独ビオンテック社と戦略的パートナーシップを強化

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)は、mRNAベースの新型コロナウイルスワクチンの製造に不可欠な特殊脂質の生産拡大に向け設備投資を行っています。ワクチン製造を行う独ビオンテック(BioNTech)社との戦略的パートナーシップの一環として、早ければ2021年後半にドイツのハナウとドッセンハイムにあるエボニックの拠点で脂質の生産を開始する予定です。

  • mRNAベースワクチンに必須となる脂質の追加生産体制をドイツで確立
  • 細胞・遺伝子治療の開発・製造における統合パートナーとしてのポジションを拡大
  • ファイザー社とビオンテック社の共同開発による新型コロナウイルスワクチンの確実な供給を可能に
  • 日本においても、当該ワクチンが特例承認され17日から先行接種が開始

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)は、mRNAベースの新型コロナウイルスワクチンの製造に不可欠な特殊脂質の生産拡大に向け設備投資を行っています。ワクチン製造を行う独ビオンテック(BioNTech)社との戦略的パートナーシップの一環として、早ければ2021年後半にドイツのハナウとドッセンハイムにあるエボニックの拠点で脂質の生産を開始する予定です。

ファイザー社とビオンテック社が共同開発した新型コロナウイルスワクチン供給を確実に行う上で、エボニックは重要な役割を担います。

「パンデミックには徹底的な対応が必要なため、当社はパートナーが必要とする重要な脂質を供給できるよう、可能な限り取り組んでいます。同時に、バリューチェーン全体にわたり生産能力を拡大しています」と 取締役会長クリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は述べています。

脂質は、効果の高いmRNAベースワクチンの生産に欠かせず、脂質の供給量を増やさなければ、ワクチンを増産することはできません。今回の取り組みは、エボニックとワクチン製造を行うビオンテック社との戦略的パートナーシップを拡大することを意味します。

mRNAベースのワクチンでは、mRNAが特定の脂質で構成された脂質ナノ粒子(LNP: Lipid Nanoparticle)に封入されています。LNPはmRNAを保護し、細胞内に安全に送り込み放出することでワクチンの効果を発揮させます。エボニックは数十年にわたり、先進的なドラッグデリバリーの受託開発と生産(Contract Development and Manufacturing Organization, CDMO)リーダーとして、脂質ナノ粒子など処方技術を必要とする複雑な非経口医薬品の開発・製造において、世界中の製薬会社をサポートしてきました。

ドイツに本社を置くビオンテック社は、細胞・遺伝子治療に関する再生医療等製品の開発・製造を一貫して行う数少ないパートナー企業であり、新型コロナウィルスの各種mRNAベースのワクチンプロジェクトに積極的に関わってきました。

ヘルスケア部責任者トーマス・リアマイアー(Thomas Riermeier)は、「ビオンテック社とのパートナーシップを通じて、細胞および遺伝子治療における統合開発パートナーとしてのポジションを組織的に拡大しています。エボニックのポートフォリオには、脂質などの医薬用添加剤のほか、製剤開発、GMP製造、複雑な非経口医薬品の無菌充填向けのCDMOサービスが含まれています」と述べています。

新型コロナウイルスワクチンは、ビオンテック社独自のmRNA技術をベースに、ビオンテック社とファイザー社が共同で開発しました。ビオンテック社は、EUで医薬品販売承認を既に取得しており、アメリカ、イギリス、カナダなどのEU以外の国においても、正式な実施が予定されている医薬品販売承認申請に先立ち、緊急時使用許可、またはそれに相当する承認を取得しています。(日本においても、厚生労働省が当該ワクチンの製造販売を2021年2月14日に特例承認し、17日から医療従事者等への先行接種が始まりました。)

エボニックのヘルスケア部は、細胞治療や遺伝子治療用の製品、サービス、技術に取り組んでおり、長年にわたり力強い成長と高い技術革新力を持っています。遺伝子をベースとした治療アプローチが誕生したばかりの非常に早い段階から、その可能性に着目していました。例えば、スペシャルティケミカル企業として、既にカナダのバーナビーで脂質ナノ粒子の開発と製剤化を行っており、さらにアメリカのアラバマ州バーミンガムでは、商業規模での生産および高機能無菌充填ラインを運用しています。「2016年にバーナビーを拠点とするトランスフェラー・ナノサイエンス社(Transferra Nanosciences)を買収することで、この有望な技術に的を絞った投資を行いました」と、リアマイアーは説明しています。2020年初めには、製薬業界向けの非動物由来の添加剤を製造する米国のウィルシャー・テクノロジー社(Wilshire Technologies)を買収し、ポートフォリオをさらに拡大しました。このポートフォリオには、多くの市販の非経口医薬品に使用される非動物由来のコレステロールであるPhytoChol®が含まれています。

(本プレスリリースは、2021年2月11日にドイツで発表されたものを翻訳・一部加筆しています。)

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2019年度は、131億ユーロの売上、21.5億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、32,000人以上の社員が働いています。

アジア・パシフィック・リージョンについて

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2019年度は、28.7億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。

ニュートリション&ケア部門について

ニュートリション&ケア部門の事業の焦点は、健康とQOL(Quality of Life)の向上にあります。 医薬品有効成分、医療用機器、ヒトと動物向けのサプリメント、パーソナルケア、化粧品、家庭用洗浄剤などの差別化されたソリューションを開発しています。 これらの弾力性のある最終市場で、2019年度は29.2億ユーロの売上を計上し、約5,300人の社員が働いています。当部門は、エボニック オペレーションズGmbHの一部です。

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