Press release
Coating Additives
March 30, 2022

エボニック、新たな総合的サステナビリティ戦略を発表 ~コーティング・インキ業界向け~

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)のコーティングアディティブス部は、新たな総合的サステナビリティ戦略を発表しました。

  • エボニックの製品群の枠を超えた、総合的サステナビリティ戦略
  • バリューチェーン全体に利益をもたらす7つのハンドプリント(環境に対するプラスの影響)効果に取り組む
  • 処方と最終製品に焦点を当てたアプローチを導入

 

コーティング・インキ業界におけるサステナビリティは、「バイオ由来のソリューション」に注目されがちです。しかし、コーティングの真の環境影響を評価するには、そのソリューションが「バイオ由来」かどうかだけを評価の対象にするのではなく、他の多くの側面も考慮する必要があります。

 

エボニックはこの課題に取り組むため、自社の添加剤の範囲にとどまらず、すべての活動において、処方と最終製品に焦点を当てる戦略を打ち立てました。「Sustainability goes deeper than the surface(サステナビリティの核心へ)」という考えのもと、コーティングアディティブス部は、環境負荷を最小限に抑え、最終製品であるコーティングのハンドプリント(環境に対するプラスの影響)を最大化するという総合的なアプローチを導入します。

 

サステナビリティとは、使用する時間、材料、エネルギーの削減が、一貫して実行可能であること

コーティングアディティブス部責任者であるガエタノ・ブランダ(Gaetano Blanda)は、「サステナビリティとは、単に環境に優しいということではなく、使用する時間、材料、エネルギーの削減が一貫して実現可能であることを意味しています。真に持続可能な製品を製造するには、処方自体が非常に環境に優しく安全でなければならないと確信しています」とコメントしています。そこで同部は、この新しいサステナビリティに対するアプローチを、7つのハンドプリント効果にまとめました。

 

コーティングアディティブス部のサステナビリティ責任者であるティム-フレデリック・スルート(Tim-Frederic Sloot)は、「製品のハンドプリントは、一つの環境影響について、どれだけ既存の状態から改善されたかを指します。例えば、当社の製品を通して処方設計者が塗料のVOC(揮発性有機化合物)含有量を大幅に削減できた場合、基準となる塗料のVOC含有量との差が、当社の添加剤のハンドプリントとなります」と説明しています。同部では、製品およびソリューションの潜在的なハンドプリントを説明する7つの効果について定義しました。この7つのハンドプリント効果は、製造から、コーティングまたは印刷された製品の最終使用、廃棄やリサイクルに至るまで、バリューチェーンのあらゆる段階に影響を与えます。

 

コーティング業界におけるハンドプリントの役割

主にコーティングやインキの処方、塗布のステップに着目したハンドプリント効果として、「安全な使用」「生産効率」「VOC削減」「持続可能な原料」という4つの効果があります。

 

「安全な使用」に関して、エボニックのコーティングアディティブス部は危険な成分を代替するなど、製品群の安全性へのリスクを低減するための個別のアクションを積極的に行っています。

 

「生産効率」については、例えば製剤の分散工程におけるエネルギー使用量を削減するなど、顧客が必要とする材料やユーティリティの量を最適化・削減するソリューションを提供することで、生産効率を向上させています。

 

「VOC削減」に向けたソリューションの提供は、すでにエボニックの中核技術となっており、これを可能にする添加剤や樹脂の既存製品群の拡大を、継続的に行っています。また、エボニックの製品群に含まれるバイオ由来製品の数は増加しており、化石由来原料をサステナビリティに優れた原料に代替する必要性の高まりにさらに対応していきます。

 

次のハンドプリント効果として、「耐久性」と「ラベル/コンプライアンス」の2つがあり、コーティングされた製品の最終使用段階において最も関連性が高い効果です。より耐久性の高いコーティング剤を使うことで、メンテナンスや交換の必要性が大幅に減り、その結果、原材料や排出物が大幅に削減されます。エボニックの高性能添加剤の使用により、耐腐食性、耐傷つき性、耐光沢性が向上します。

 

「ラベル/コンプライアンス」効果については、エボニックの法規制の専門家が、コンプライアンスに準拠したコーティング剤とインキ関連製品の適合性を評価し、お客様に製品群全体に関する幅広い規制情報を提供しています。

 

最後に、7つ目のハンドプリント効果として、「サーキュラー・ソリューション」があります。これは、コーティングおよび印刷された製品の最終段階に焦点を当てた効果です。エボニックのサーキュラー・プラスティック・プログラムの主要メンバーとして、コーティングアディティブス部は、塗料、コーティング、インキに対応するサーキュラー・ソリューションに製品群開発の重点を置いています。

 

フットプリント(環境負荷)の最小化

コーティングアディティブス部は、ハンドプリントを最大化するだけでなく、資源の効率的な使用と排出量の削減により、すべてのプロセスを通じて環境負荷を最小化しています。この実現のために、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)の枠組みを用いた包括的なポートフォリオ・サステナビリティ・アセスメント(PSA)を行っています。このPSAに基づくことで、サステナビリティの観点で明確にプラスのプロフィールを持つ製品の特定が可能で、特定された製品は「次世代ソリューション」と名付けられます。また、重要なサステナビリティのプロフィールを持つ製品を特定し、プロフィールを改善するためのアクションを開始することも可能です。現在、エボニックのコーティングアディティブス部の製品の約半数が次世代ソリューションに分類されています。

 

温室効果ガス排出量の削減

エボニックは温室効果ガス排出量削減に向けて、プロセスの透明性向上にも取り組んでいます。具体的には、個々の生産拠点における特定のエネルギー使用と材料の流れを監視し、製品レベルでのライフサイクルアセスメント(LCA)を実施しています。次のステップとして、エボニックの技術・エンジニアリング部門の専門家が、最も魅力的な削減の可能性がどこにあるかを特定し、それを実現するためのプロジェクトを実施することも計画しています。「私たちの包括的なアプローチにより、お客様はサステナビリティに優れたコーティング・インキ業界に貢献することができます」とティム-フレデリック・スルート(Tim-Frederic Sloot)はコメントしています。

 

コーティングアディティブス部のサステナビリティへのアプローチは、エボニックグループ全体のサステナビリティ戦略「2020+」の一部と位置付けられています。この戦略は、野心的な目標と、それを測定可能な行動に移すための主要な活動に基づいています。サステナビリティは、バリューチェーン全体における事業活動の影響に体系的に焦点を当て、国連の持続可能な開発目標に基づく当社において、全事業部門の戦略や事業活動にとって不可欠な要素となっています。

 

エボニックは、最も重要な独立格付け・ランキング機関(EcoVadis、ESGリーダーズインデックス、CDPなど)の結果に裏付けられた、化学業界を代表する優良サステナビリティ企業です。

 

 

(本プレスリリースは、2022年216日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2021年度は、150億ユーロの売上、23.8億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、33,000人以上の社員が働いています。

アジア・パシフィック・リージョンについて

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2020年度は、28.4億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。

免責事項                                        

このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。