エボニック、ニュートリション・テクノロジーズ社（シンガポール）と 昆虫タンパク質で将来の食糧供給確保に向け協業
エボニック インダストリーズ（本社：ドイツ、エッセン）とシンガポールに拠点をもつ昆虫由来製品メーカー ニュートリション・テクノロジーズ社（Nutrition Technologies）は、東南アジアにおけるアメリカミズアブ（ブラックソルジャーフライ、BSF）の必須アミノ酸に関する共同研究開発プロジェクトを実施することに合意しました。
- アメリカミズアブの必須アミノ酸に関する共同研究開発プロジェクト
- 持続可能な畜産物生産に貢献
- マレーシアとシンガポールで飼料の試験と分析を実施予定
昆虫は、従来の家畜用飼料原料に比べ、温室効果ガス排出量や土地利用、水の必要量が少なく、家畜に給餌する持続可能なタンパク質源として大きな可能性を秘めています。本プロジェクトでは、安全で健康的な食肉を提供し続けながら、持続可能な畜産物生産の成果を最大化するためにBSF飼料を最適化することを目的としています。
アニマルニュートリション部の南アジア責任者シュリダール・パテル（Shreedhar Patel）は、「アジアでは栄養価の高い動物性タンパク質への需要が急増しています。当社はニュートリション・テクノロジーズ社との協力を通じて、動物栄養に関する幅広い専門知識を活かしながら、代替タンパク源を食品のバリューチェーンに取り入れる最も効率的な方法を探っています。この取り組みにより、耕作地や淡水の使用を最小限に抑えながら、安定的な食糧供給を強化できます」と述べています。
今回の合意は、エボニックの飼料添加物に関する知識と、ニュートリション・テクノロジーズ社のチームが有するアメリカミズアブの生産に関する専門知識を活用することで、両社が最適なBSFタンパク質プロファイル提供を加速させ、動物飼料の拡充を可能にします。本研究は、マレーシアのジョホール州にあるニュートリション・テクノロジーズ社の主要製造施設と、シンガポールにあるエボニックの最先端研究所の2カ所で行われます。
「エボニックのグローバルな専門家と協力し、そのリソースを利用することで、BSFの必須栄養に対する理解を驚異的な速さで深めることができるようになりました。その結果、この産業における拡大の鍵となる新しい多くの原料を創り出すことが可能になります」と、ニュートリション・テクノロジーズ社の創設者兼共同CEOニック・ピゴット（Nick Piggott）は述べています。
2年間にわたる本プロジェクトはすでに開始しており、現在は実施要綱と試験体制の構築が行われています。最初の研究成果は、2022年末までに発表される予定です。
（本プレスリリースは、2022年3月22日にドイツで発表されたものを翻訳しています。）
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2021年度は、150億ユーロの売上、23.8億ユーロの営業利益（調整後EBITDA）を計上しました。革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、33,000人以上の社員が働いています。
アジア・パシフィック・リージョンについて
エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2020年度は、28.4億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。
ニュートリション＆ケア部門について
ニュートリション＆ケア部門の事業の焦点は、健康と暮らしの質向上にあります。 医薬品有効成分、医療用機器、ヒトと動物向けの栄養、パーソナルケア、化粧品、家庭用洗浄剤などの差別化されたソリューションを開発しています。 これらの弾力性のある最終市場で、2021年度は35.6億ユーロの売上を計上し、約5,300人の社員が働いています。ニュートリション＆ケアは、エボニック オペレーションズGmbHの一部です。
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