Press release
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May 17, 2022

エボニック、戦略的変革の新たなステージに  ~次世代ソリューション・技術への投資に注力~

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)は、戦略的変革の新たなステージに入りました。サステナビリティをポートフォリオマネジメント、イノベーション、企業文化など、戦略のすべての要素に完全かつ体系的に取り入れています。

  • ポートフォリオを成長部門へ体系的に調整
  • グリーン成長への積極的な投資
  • 意欲的なサステナビリティ目標を設定

 

取締役会長クリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、エボニック主催のキャピタルマーケットデーで投資家やアナリストに対し、「”Leading Beyond Chemistry”(化学のその先へ、今日、そして明日の暮らしを豊かに)というスローガンのもと、近年、当社は戦略的にも財務的にも順調に前進してきました。当社の変革における次の段階では、グリーン成長に的を絞った大規模な投資を行い、サステナビリティをイノベーションの原動力の柱として位置付けます」とコメントしました。

エボニックのポートフォリオは、スペシャルティアディティブス、ニュートリション&ケア、スマートマテリアルズの3つの成長部門に完全に統合されます。「戦略的な理由で撤退する事業は、明るい未来への責任ある道筋を示すために、最適な準備を整えています」とクルマン(Kullman)は述べています。パフォーマンスマテリアルズの3つの事業(高吸水性樹脂、ファンクショナルソリューションズ、パフォーマンスインターミディエイツ)は、すでに撤退の準備が進められており、エボニックは、2023年中にこれら3事業の新たなオーナーまたはパートナーを見つけることを目指しています。

パフォーマンスマテリアルズ事業の売却による収益と、今後数年間にわたる営業キャッシュフローは、グリーントランスフォーメーションに充てる予定です。エボニックは2030年までに、サステナビリティに優れた製品で構成される次世代ソリューションに30億ユーロ以上の投資を行うことを目指しています。これは年間成長投資額の80%に相当します。同時期に、さらに7億ユーロを次世代技術、すなわちCO2排出を回避できる生産工程やインフラの最適化に投資する予定です。

サステナビリティ担当取締役のトーマス・ヴェッセル(Thomas Wessel)は、「私たちは、ハンドプリント(環境に対するプラスの影響)を大幅に増やすと同時に、フットプリントを減らしています。KPIに換算すると次世代ソリューションによる売上高の割合を、現在の37%から、2030年までに50%以上に大幅に引き上げる予定です」と述べています。次世代ソリューションには、医薬品の有効成分を適切な箇所に届けるドラッグデリバリー技術、バイオガスや水素用のガス分離膜、天然由来の化粧品向けアクティブ原料(機能性成分)が含まれています。「私たちのイノベーションは、お客様の製品をよりサステナブルなものに、そして気候変動への対応力を高めさせることができます」とヴェッセル(Wessel)はコメントしています。次世代ソリューションへの需要の急増はその重要性を示唆しており、エボニックはこれに取り組むことで、平均以上の成長を遂げる可能性を秘めています。

エボニックは、生産と加工に伴う直接的および間接的な温室効果ガスの排出量を大幅に削減することで、フットプリントの削減を目指しています。次世代技術を利用して、エボニックはスコープ1、2のCO2排出量を、2030年までに現在の650万トンから490万トンまで25%削減する予定です。この目標は、エボニックが取り組んでいるScience Based Targets(SBTi)イニシアチブの要件に合致しています。同時に、サステナビリティへの投資によって利益を得ることができます。次世代技術に7億ユーロを投資することで、エボニックは2030年までに年間1億ユーロ以上の運営コストを削減する予定です。

さらに研究開発・イノベーション部門を再編し、エボニックのイノベーション活動のマネジメントにサステナビリティを全面的に取り入れています。イノベーション担当取締役ハラルド・シュヴァーガー(Harald Schwager)は、「研究開発・イノベーション部門は2030年までに、イノベーション成長分野で10億ユーロ以上の追加売上を生み出すことを目標に掲げ、現在順調に進んでいます。当社のイノベーション力は、環境に配慮した収益性の高い成長を実現するうえで重要な要素となっています」と述べています。

エボニックの目標達成に向けての取り組みは、自社のベンチャーキャピタル活動によって支えられています。投資総額1.5億ユーロの新しいサステナビリティ・テック・ファンドは、革新的な技術やビジネスモデルへの投資を通じて、サステナビリティ目標を強化していきます。本ファンドは、CO2排出量を削減する新技術や、次世代ソリューションと技術的に適合性の高いイノベーションに焦点を当てています。

戦略的変革の一環として、エボニックは中期財務目標の見直しも行いました。最高財務責任者(CFO)のウテ・ヴォルフ(Ute Wolf)は、「現在の厳しい環境にもかかわらず、18~20%の調整後EBITDAマージン、40%を上回るキャッシュ・コンバージョン・レート、11%以上のROCE(使用資本利益率)というコアターゲットを発表しています」と述べています。エボニックは、高成長で景気循環の影響の少ないスペシャルティケミカルへ注力し、現在、4%以上のCAGR(年間平均成長率)達成を目標としています。これまでは3%以上の成長率を目標としていました。現在、年間の設備投資予算は約9億ユーロですが、CO2排出量削減に向けての次世代技術への投資により、今後数年間で9億ユーロから10億ユーロの範囲に段階的に引き上げていきます。

これらの意欲的な財務目標に加え、エボニックのハンドプリントとフットプリントに関する最新のサステナビリティ目標が、来年から取締役会の長期報酬制度に組み込まれる予定です。

エボニックは、事業、従業員、環境、そして社会に対して責任ある取り組みを行っています。グリーントランスフォーメーションは、単にエボニックの将来を保証し、収益性を確保するだけでなく、企業文化を形成するうえで重要な役割を担っています。エボニックは、企業責任と経済的成功は表裏一体であると考えています。

 

(本プレスリリースは、2022年5月 11日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。)

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2021年度は、150億ユーロの売上、23.8億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、33,000人以上の社員が働いています。

アジア・パシフィック・リージョンについて

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2021年度は、34.1億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。

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このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。