Press release
Company
November 14, 2022

2022年度第3四半期業績発表

エボニック、厳しい環境下で堅調な業績を達成

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、景気の減速が顕著な中、第3四半期において堅調な業績を達成しました。販売量は減少したものの、製品価格の上昇により売上高は前年同期比26%増の48.8億ユーロとなり、変動費の増加分をうまく補うことができました。調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は6.15億ユーロとなり、わずか5%の減少にとどまりました。 

  • 製品価格の上昇により売上高が増加
  • 2022年度業績見通しを確定
  • 2023年に向け、コスト削減策を策定 
     

取締役会長クリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「ビジネス環境はますます厳しくなるにもかかわらず、エボニックは今年度の通期見通しを達成できると確信しています。同時に、来年度の景気後退に備え、準備を進めています」と述べています。出張や展示会の制限、外部コンサルタントの利用の見直し、厳正な雇用などの対応策により、来年は数億ユーロ単位のコスト削減を図る予定です。また不安定な経済情勢に向けて、この対応策は意図的に分散して柔軟に実施されます。 

エボニックは、調整後EBITDAを25億ユーロから26億ユーロの範囲とする見通しを確定しました。本年度の売上高は185億ユーロを見込んでいます。

第3四半期のフリーキャッシュフロー(FCF)は、上半期のマイナス1.06億ユーロから大幅に改善し、2.88億ユーロとなりました。最高財務責任者(CFO)のウテ・ヴォルフ(Ute Wolf)は、「フリーキャッシュフローの改善において、当社は多くの成果をあげており、第4四半期はさらなる改善を見込んでいます。目標とするFCFのコンバージョン率約30%の達成に向け、私たちは懸命に取り組んでいます」と述べています。 

エボニックは、エネルギーミックスにより天然ガスへの依存度を低減しました。ドイツ最大の生産拠点であるマールでは、液化石油ガスで発電できるガス火力発電所を新設しました。同時に、拠点内の石炭火力発電所の運転許可の期限が延長され、電力供給を確保できるようになりました。他の生産設備でもガス使用量を削減しています。

また、化石燃料への依存度も低くなっています。先だって、ドイツのエネルギー供給会社EnBWと、洋上風力発電所「He Dreiht」の長期電力購入契約を締結しました。エボニックは、北海に位置するこの新しい風力発電所から100メガワットのグリーン電力を15年間購入します。これにより、2026年以降、エボニックの欧州における電力需要の約4分の1は風力発電で賄われることになります。両社は11月3日、契約の締結を行いました。

さらにエボニックは、スペシャルティケミカルを中心にポートフォリオの見直しを進めています。8月には米国のベタイン事業を売却し、最近ではTAA誘導体事業も売却しました。

エボニックは有機的成長への投資も続けています。米アラバマ州モービルでは、メチオニンの重要な中間体であるメチルメルカプタンを生産する新工場に1.5億ユーロを投じています。インディアナ州ラファイエットでは、主に医療用mRNAに使用される医薬用脂質の新工場の建設を間もなく開始する予定です。スロバキアでは、バイオサーファクタントの一種であるラムノリピッドの新工場の建設が進行中です。
 

事業部門ごとの業績
スペシャルティアディティブス:第3四半期の売上高は、変動費の増加と為替のプラス効果により販売価格が大幅に上昇し19%増の11.1億ユーロとなりました。販売量は減少しましたが、建設およびコーティング業界、再生可能エネルギー向けの製品は、価格上昇によりコストの増加分を補えたことが功を奏し、売上高は大幅に増加しました。また、主に価格上昇により、ポリウレタンフォーム用および耐久消費財用の添加剤の売上も伸びました。自動車用添加剤の販売数量はわずかに増加しました。調整後EBITDAは8%増の2.43億ユーロとなり、厳しい時期にもかかわらず堅調な業績となりました。

ニュートリション&ケア:第3四半期の売上高は、販売価格の大幅な上昇と為替のプラス効果もあり、14%増の10.6億ユーロとなりました。一方、販売量は主に動物飼料の需要減により減少しました。ヘルスケアおよびケアソリューションズ分野では、化粧品業界向けの機能性成分が引き続き好調であったため、売上高を伸ばしました。調整後EBITDAは、23%減の1.48億ユーロとなりました。

スマートマテリアルズ:第3四半期の売上高は、26%増の12.6億ユーロとなりました。これは販売量が安定する中で、販売価格が大幅に上昇したことと、為替のプラス効果の恩恵を受けたことによるものです。無機製品は、変動費の増加分を反映させて販売価格を大幅に引き上げたことにより、売上高が大きく増加しました。ポリマー事業の売上高も、同様の理由により前年同期を著しく上回りました。販売量は、両ユニットとも概ね安定していました。調整後EBITDAは、前年度とほぼ同水準の1.77億ユーロとなりました。
 

(本プレスリリースは、2022年11月8日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2021年度は、150億ユーロの売上、23.8億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、33,000人以上の社員が働いています。

 

アジア・パシフィック・リージョンについて

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2021年度は、34.1億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。

免責事項                                        

このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。