エボニック、ワクチン効果を高める植物由来のスクワレンを上市
エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、ワクチンなどの医薬品用途に適した非動物由来スクワレンPhytoSquene®を上市しました。これは非経口製剤のアジュバント市場において、世界初のアマランサス油由来のスクワレンです。非動物由来スクワレンへの安定供給を求める声に応えて開発が行われ、間もなく提供開始となるnon-GMPサンプルに続き、2023年にはGMP(適正製造基準)適合品が上市されます。
- 従来のサメ肝油由来スクワレンに代わるサステナブルな製品
- 非経口ドラッグデリバリー用アジュバント
- エボニックの次世代ソリューションを拡大
通常、医薬品用途のスクワレンは、サメの肝油を原料とする動物由来品ですがその代替品として非動物由来のPhytoSquene®を提供します。生物多様性と生態系を保護するために、動物由来製品の使用を減らすことは、エボニックならびに同社でライフサイエンス事業を展開するニュートリション&ケア部門にとって重要な課題です。
同部門は、次世代ソリューションが製品群の売上に占める割合を、2032年までに70%以上に引き上げるという明確な見通しを立てています。次世代ソリューションとは、徹底的な評価に基づくサステナビリティに優れたビジネスポートフォリオを指します。
ヘルスケア部責任者トーマス・リアマイアー(Thomas Riermeier)は、「地球上の生物多様性が急速に減少していることは憂慮すべき問題です。だからこそ、エボニックが生物多様性の保全と高品質な治療の両方を満たすソリューションを提案できることをうれしく思います」と述べています。
PhytoSquene®は、世界各地で栽培されている草本植物であるアマランサス(Amaranthus caudatus)の油から作られています。植物由来のため、バッチ間均一性、品質、純度が安定しています。欧州薬局方(Ph.Eur.)にも準拠しており、病原体伝播のリスクもありません。また、文化的・宗教的な理由で動物由来製品を使用できない方々向けのソリューションにもなります。
PhytoSquene®は、エボニックが取り組むイノベーション「サステナブルな非動物由来のソリューション」における最新事例です。今年初めには、医薬品グレードの植物由来コレステロールPhytoChol®を上市しています。
スクワレンは天然有機化合物であり、ワクチンの有効成分に対する身体の免疫反応を高めるための添加物(アジュバント)の一つとして使用されています。必要な有効成分の量を減らすことができるため、ワクチン製造の迅速化とスケールアップが容易になり、副反応の発生率も下がります。
製薬業界のパートナーとして、エボニックのヘルスケア部は数十年にわたり先進的なドラッグデリバリー技術をリードしています。ポリマーや脂質などの医薬品添加剤、処方開発、臨床サンプルや市販医薬品の製造など、複雑な非経口・経口製剤の開発と製造における包括的なサービスを提供し、世界中の製薬会社をサポートしています。
本件に関する詳しい情報は、下記ページにてご覧いただけます。
(本プレスリリースは、2022年12月6日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2021年度は、150億ユーロの売上、23.8億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、33,000人以上の社員が働いています。
アジア・パシフィック・リージョンについて
エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2021年度は、34.1億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。
免責事項
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