インディアナ州で行われたエボニックの脂質イノベーションセンター起工式

Press release
Health Care
April 11, 2023

RNA治療薬のドラッグデリバリーにおける主導的地位を強化

エボニック、米国で新規医薬用脂質製造施設を着工 

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、2.2億ドルを投じ、米国インディアナ州ラファイエットで、グローバル規模の医療用特殊脂質製造施設の建設を開始しました。この新設により、医薬業界に向けた、mRNAワクチンなどの核酸治療薬に欠かかせない重要な添加剤の供給確保を目指します。操業開始は2025年の予定です。

  • RNA医薬品用機能性添加剤のグローバル供給を確保するための施策
  • 米国政府と協定を締結し、米国のバイオ医薬品産業の振興とパンデミック対策の確保
  • 2025年操業開始予定

本施設は、ドイツ・ハナウにあるエボニックの拠点に新設され、臨床開発および小規模商業生産に必要な量の脂質をお客様に提供します。この開設は、エボニックの既存のラボおよび商業規模での生産能力を補完し、開発および商業化の各段階におけるパートナーのニーズに対応します。

取締役会長クリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「この脂質イノベーションセンターの新設は、未来のヘルスイノベーションに貢献するものです。この投資を行うことで、エボニックの製薬業界におけるリーディングポジションを強化します。またパンデミック対策で米国を支援し、最先端の医薬品の開発ができることを光栄に思います」と述べています。

新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)のパンデミックの際、エボニックは主要なワクチンメーカーが必要とする機能性添加剤の供給を確保する上で、重要な役割を果たしました。エボニックのヘルスケア部は、ケアソリューションズ部とアニマルニュートリション部とともに、ライフサイエンス事業を展開するニュートリション&ケア部門に属しており、強力なバイオテクノロジー・プラットフォームを活用しています。

ニュートリション&ケア部門責任者 ヨハン‐カスパー・ガメリン(Johann-Caspar Gammelin)は、「このグローバル規模の新施設は、製薬業界における受託開発製造企業(CDMO)としての、エボニック独自のポジションを強化するものです。開発の量や規模の大きさ、処方やフィルフィニッシュ(無菌充填)など、全工程において、RNA医薬品分野のパートナーはエボニックに信頼を寄せています」とコメントしています。

商業規模の脂質施設への総投資額は2.2億ドルにのぼります。米国政府は、米国保健福祉省(HHS)の戦略的準備・対応管理局(ASPR)の一部局である米国生物医学先端研究開発局(BARDA)を通じて、最大1.5億ドルの資金を負担する協力協定をエボニックと締結しました。BARDAは、米国防総省(DOD)の化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)と協力して取得支援の調整を行いました。

エボニックの脂質イノベーションセンターは、世界最大級の医薬品原薬(API)受託製造施設の一つであり、エボニックにとって米国で2番目に大きな拠点である、ティピカヌーの敷地内に建設されます。柔軟に開発・製造を行うこの新施設では、感染症対策、がん免疫療法、タンパク質代替、遺伝子療法におけるRNA技術の将来の応用に向けて、高い品質基準に従って様々な特殊脂質の迅速なスケールアップと製造が可能です。

2023年3月初め、エボニックは、少量バッチサイズの脂質を開発・製造するcGMP対応施設をドイツ・ハナウに新設しました。この脂質製造施設は、臨床および小規模商業生産に必要な量の脂質をお客様に提供します。この施設を開設したことで、カナダ・バンクーバー研究所でのリポソーム製剤の治験薬製造能力、米国アラバマ州バーミンガム工場におけるリポソーム製剤の製造・フィルフィニッシュ能力など、エボニックの既存の研究所および商業生産ネットワークを補完します。

2023年3月29日に行われた起工式には、米国連邦政府代表者、インディアナ州知事のエリック・ホルコム(Eric Holcomb)、ラファイエット地区の地元関係者が出席し、エボニックからは取締役会長クリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)および取締役会・監査役会のメンバーも参加しました。

本プロジェクトは、契約番号W58P052220006のもと、米国保健福祉省の戦略的準備・対応管理局(ASPR)の一部である米国生物医学先端研究開発局(BARDA)から提供される連邦資金を、プロジェクト資金の全部または一部に充て実施されます。
 

(本プレスリリースは、2023年3月 29日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。)

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2022年度は、185億ユーロの売上、24.9億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、34,000人以上の社員が働いています。

アジア・パシフィック・リージョンについて

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2022年度は、37.8億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,200人以上の社員が働いています。

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