エボニック、バイオ医薬品向け次世代ペプチドを上市
エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、バイオ医薬品の製造に使用される細胞培養培地用のパフォーマンスブースターであるペプチド、cQrex® KCを上市します。
- バイオプロセスの生産性を向上させる独自のパフォーマンスブースター
- 中性pHでL-シスチンの1,000倍の溶解度を発揮
- 非動物由来高純度ジペプチドのcQrex®ポートフォリオを強化
この新しいペプチドは、バイオ医薬品業界における細胞培養プロセス研究や培地開発に携わる皆様に、シスチン供給の最適化とバイオプロセスの生産性向上というメリットを提供します。
新たにエボニックの培地添加剤に加わったcQrex® KCは、モノクローナル抗体、ワクチン、ウイルスベクター、細胞治療薬の製造に用いられる細胞培養プロセスの効率と生産性を向上できるように設計されています。2022年のバイオ医薬品の市場規模は2,500億ユーロを超え、数千もの製品パイプラインがあり、成長の一途をたどっています。
L-シスチンは、細胞培養において重要なアミノ酸で、細胞の増殖やバイオ医薬品の生産を行うには、十分な供給が不可欠です。しかし、L-シスチンは中性pHの細胞培養用培地にほとんど溶解しません。現在のトレンドである(完全)合成培地を用いた製造プロセスにおいては、十分な量のL-シスチンを細胞に供給することが困難でした。
cQrex® KCは高純度・可溶性ペプチドで、細胞培養におけるL-シスチン供給の課題を克服できるように設計されています。cQrex® KCを使うことで、高濃度かつ中性pHのフィード培地や灌流培地、基礎培地の処方設計が可能になり、複雑な生産工程の強化や簡略化を図ることができます。また、細胞の増殖性、生存率、比生産性を高め、抗体力価の向上やバイオ医薬品の生産性向上にも寄与します。
ヘルスケア部の細胞培養関連素材担当ディレクターであるマーティン・シリング(Martin Schilling)は、「cQrex® KCを通してお客様の可能性を広げることができ嬉しく思います。培地処方やバイオプロセス設計の柔軟性を高めることで、バイオ医薬品の効率的な生産をサポートします」と述べています。
市場をリードするエボニックのcQrex®製品群と付随するアプリケーションサービスにcQrex® KCを加えることで、エボニックが提供するシステムソリューションが強化されます。エボニックのヘルスケア部は、ライフサイエンス事業を展開するニュートリション&ケア部門のひとつで、同部門はシステムソリューションが売上に占める割合を、2030年までに、現在の20%から50%以上に引き上げる予定です。システムソリューションとは、複数の要素から構成されるもので、お客様独自のニーズに合わせてカスタマイズされます。
エボニックのヘルスケア部は細胞栄養分野のリーダーであり、世界を代表する製薬会社やバイオ医薬品企業のグローバルな開発・製造パートナーです。60年にわたり業界を牽引してきた経験を活かし、アミノ酸、cQrex®ペプチド、脂質、その他のパフォーマンスブースターなど、医薬品グレードの強固な細胞培養素材およびソリューションを市場に提供しています。
詳しい情報は
https://healthcare.evonik.com/en/pharmaceuticals/cell-culture
でご覧いただけます。
(本プレスリリースは、2023年5月 31日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。)
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2022年度は、185億ユーロの売上、24.9億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、34,000人以上の社員が働いています。
アジア・パシフィック・リージョンについて
エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2022年度は、37.8億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,200人以上の社員が働いています。
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