エボニック、経営のスリム化・差別化を図るため、グループの新体制導入へ
エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、新たな組織体制を導入し、大幅にスリム化されたマネジメントモデルに移行します。
- 差別化された事業経営
- 事業部門(Division)の廃止によりスリム化されたマネジメントモデル
- ローレン・ケルセン(Lauren Kjeldsen)およびクローディン・モレンコフ(Claudine Mollenkopf)が新たに取締役に就任
これまで4つの事業部門内に設置されていたビジネスラインについては、取締役会が直接指揮を執ることになります。今後は、2つのセグメント体制で事業経営をおこない、差別化を図ります。
エボニックは近年、成長性とレジリエンス(強靭性)、そして地政戦略的バランスに重点を置いたポートフォリオを展開してきましたが、今回の大規模な組織再編を経て、新たなステップに踏み出そうとしています。「当社は近年、ポートフォリオの質を大幅に向上させてきました。しかし現在は、スペシャルティケミカルにのみ注力するだけでは会社を前進させるには十分でなくなってきました。その言葉自体、曖昧な意味しかもたなくなり、お客様や資本市場の視点から見ても十分に差別化をおこなえなくなってしまいました。そのため、今後はソリューションとイノベーション主導型ビジネス、およびテクノロジーと効率主導型ビジネスを2本柱に据え、それぞれの強みを生かして経営の差別化を図ります。新しいマネジメントモデルは、このアプローチを考慮したものとなっています」と取締役会長(CEO)のクリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は述べています。
「カスタム・ソリューション(Custom Solutions)」と「アドバンスド・テクノロ
ジー(Advanced Technologies)」
現在、エボニックは、スペシャルティアディティブス、ニュートリション&ケア、スマートマテリアルズ部門として化学事業を運営しています。エボニックグループは、2025年4月1日から施行する新体制で、「カスタム・ソリューション(Custom Solutions)」、および「アドバンスド・テクノロジー(Advanced Technologies)」という2つのセグメントに組織を再編する予定です。これにより、より明確な戦略的集中と資源配分が可能となり、各ビジネスモデルに応じた事業経営をおこない、更なる差別化を図ることができます。両セグメントは、それぞれ年間約60億ユーロの売上高を計上しています。
監査役会会長 ベルント・テニェス(Bernd Tönjes)は、「監査役会は取締役会が打ち出した新たな戦略とグループの構造改革を全面的に支持しています。新体制により、エボニックは高い収益性を確保した成長を遂げる可能性を最大限に引き出せると確信しています」と述べています。
「カスタム・ソリューション(Custom Solutions)」セグメントは、イノベーション主導型のビジネスモデルを特徴としています。特定のニッチ市場で事業をおこない、お客様との距離が近く、カスタマイズされたソリューションを展開することで、価格設定の主導権を担っていきます。従業員約7,000人を擁するこのセグメントは、買収も重要な目標としています。塗料・コーティング用添加剤、化粧品・医薬品業界向けの製品が含まれます。
「アドバンスド・テクノロジー(Advanced Technologies)」セグメントは効率主導型で、高度な技術的専門知識と卓越したオペレーションを特徴とするため、世界的にも非常に高いコスト競争力を持つことができます。約8,000人の従業員を擁する同セグメントには、高機能ポリマーや過酸化水素製品の製造などが含まれます。
この2つのセグメントは相互に補完し合い、エボニック・グループが価値創造を行う上で、どちらも極めて重要な役割を果たします。カスタム・ソリューション(Custom Solutions)」セグメントは、成長ドライバーとしての役割を担い、調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)の成長において、大きな貢献を果たします。「アドバンスド・テクノロジー(Advanced Technologies)」セグメントは、より資金供給的な役割を果たし、キャッシュフローを生み出します。またROCE(使用資本利益率)を全事業の主要指標とします。両部門が牽引力となり、エボニックはグループレベルで資金を獲得します。
同時に、両セグメントを通して、サステナビリティを推進していきます。エボニックは、持続可能性に優れた製品、いわゆる次世代ソリューションの占める割合を、2030年までに50%以上に拡大することを目指しています。
マネジメントモデルのスリム化
エボニックグループの中核をなす事業部は、企業活動の中心となっています。2026年末まで組織構造の改善に取り組む「エボニック・テーラーメイド」プログラムは、長期的に大幅なコスト削減を実現するもので、この原則に則っています。計画段階を経て、今年すでに最初の構造的措置が実施されました。これにより、意思決定とプロセスが迅速化され、管理職も大幅に削減されます。プログラムの終了時までに、エボニックはグループ全体のマネジメントレベルの階層数を平均10段階から最大6段階までに削減すると同時に、3,000以上の組織単位の廃止も行います。
この取り組みは、新たな組織体制で実施されるスリム化を図ったマネジメントモデルに反映されています。2025年4月1日時点で事業部門(Division)は廃止になり、それにともなう管理業務が完全に撤廃されます。新たなセグメント内にそれぞれ集約されるビジネスラインは、取締役会の担当役員によって直接運営がおこなわれることになります。
「カスタム・ソリューション(Custom Solutions)」セグメントは、アメリカ国籍を持ち、現在スマートマテリアルズ部門の責任者を務めるローレン・ケルセン(Lauren Kjeldsen)が指揮を執ります。「アドバンスド・テクノロジー(Advanced Technologies)」セグメントは、フランス国籍で現在スペシャルティアディティブス部門の責任者であるクローディン・モレンコフ(Claudine Mollenkopf)が統括します。両氏は2025年4月1日付で取締役に就任する予定です。
クルマン(Kullmann)は、「当社の取締役会はさらに国際色豊かになり、女性の占める割合も高くなります。ローレン(Lauren)とクローディン(Claudine)はリーダーとして既に大きな功績を築いており、取締役会で一緒に仕事ができることを楽しみにしています。力を合わせてより良いエボニックにしていきます」と述べています。ケルセン(Kjeldsen)は、各セグメントの他、イノベーションおよび南北アメリカ地域を、モレンコフ(Mollenkopf)は、アジア太平洋地域およびオペレーショナル・エクセレンス(製造拠点の継続的なプロセス改善)を担当します。
最高人事責任者兼労務担当取締役のトーマス・ヴェッセル(Thomas Wessel)は、新年度から、パフォーマンスインターミディエイツ事業を含むインフラストラクチャー部門と、技術面でサステナビリティを推進する新たな次世代テクノロジー部門の責任者も兼務します。
2017年から取締役会副会長を務めてきたハラルド・シュヴァーガー(Harald Schwager)は退任することになりました。またニュートリション&ケア部門代表のヨハン・カスパー・ガメリン(Johann-Caspar Gammelin)、およびパフォーマンスマテリアルズ部門代表のヨアヒム・ダム(Joachim Dahm)も退任する予定です。
(本プレスリリースは、2024年12月 13日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳・編集しています。)
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2023年度は、153億ユーロの売上、16.6億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、32,000人以上の社員が働いています。
免責事項
このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。