Press release
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March 10, 2025

2024年度通期業績発表/2025年度業績予想

エボニック、前年度の業績を確実に上回り、さらなる成長を目指す

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、2024年度の営業利益を大幅に拡大しました。

  • 調整後EBITDAは25%増加
  • 2025年度業績予測:調整後EBITDAは20億ユーロから23億ユーロの範囲の見込み
  • 組織再編とコスト削減策が奏功

 

調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は25%増の20.65億ユーロで、19億ユーロから22億ユーロの予測範囲内に収まりました。年初来の業績が好調であったことから、夏に調整後EBITDAの見通しを上方修正していました。売上高は152億ユーロでほぼ前年並みとなりました。それに伴い収益性も大幅に改善し、調整後EBITDAマージンは前年同期の10.8%から13.6%に上昇しました。

取締役会長(CEO)のクリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「昨年は経済的・政治的逆風に見舞われる中、当社は業績を回復させることができました。依然として厳しい環境が続いていますが、その成果は今年も発揮されるでしょう。今後も引き続き、精力的に取り組む必要があります」と述べました。

2024年度のフリー・キャッシュ・フローは、重点的な取り組みが奏功し8.73億ユーロとなり、すでに良好な水準であった前年度(8.01億ユーロ)を9%上回りました。これは主に営業利益の増加と資本支出に関する規律を継続したことによるものです。キャッシュ・コンバージョン・レートは、目標の40%を再び上回る42%に達しました。

2024年の最終損益では、2.22億ユーロの純利益を計上しました。ROCE(使用資本利益率)は7.1%(2023年は3.4%)に上昇しました。2024年の販売数量は4%増加し、世界経済の成長率を上回りました。販売価格は、平均2%下落しました。

エボニックは、今年度の業績に前向きな見通しを持っています。第1四半期の調整後EBITDAは前年同期(5.22億ユーロ)を上回ると予想しています。通期では、20億ユーロから23億ユーロの範囲の調整後EBITDA、約40%のキャッシュ・コンバージョン・レートを見込んでいます。ROCEはさらに改善する見通しです。

最高財務責任者(CFO)のマイケ・シュー(Maike Schuh)は、「先行き不透明な経済状況が続くため、2025年もより一層努力する必要がありますが、それは私たちの手に委ねられています。コストや資本支出を厳格に管理することで、高い収益性とリターンを実現するための土台づくりに取り組んでいます」と述べています。

キャッシュフローがプラスに推移しているため、今年も安定した配当を維持できる見込みです。取締役会および監査役会は、5月28日に開催される年次株主総会で、年間配当を1株当たり1.17ユーロに据え置くことを提案する予定です。これは現在、約6%の配当利回りに相当します。

エボニックグループ全体の効率化を図る「エボニック・テーラーメイド」プログラムは、本格的な実施段階に入っています。本プログラムにより、2026年末までに年間約4億ユーロのコスト削減が見込まれています。最高人事責任者兼労務担当取締役のトーマス・ヴェッセル(Thomas Wessel)は、「当社は、社会的責任を果たす形で組織再編成を実施することを表明しており、それに従い進めています。組織再編と計画中の人員削減は、従業員代表との緊密な協議のもと、計画通りに進めています。さらに並行して実施しているアニマルニュートリションやヘルスケアなどの事業部における改善プログラムも順調に進行しています」と述べています。

複雑さは解消されつつあります。今後、エボニックは化学事業を2つのセグメントに集約し、取締役会の担当役員がそれぞれの方法で指揮を執ることになります。ローレン・ケルセン(Lauren Kjeldsen)とクローディン・モレンコフ(Claudine Mollenkopf)の両氏が取締役に就任し、新たに設置される「カスタム・ソリューション(Custom Solutions)」と「アドバンスド・テクノロジー(Advanced Technologies)」セグメントをそれぞれ統括します。事業部門(Division)の廃止に伴い、そのマネジメント階層が4月1日付で撤廃されます。さらに、この新体制により各化学事業にターゲットを絞った経営が可能になり、イノベーションと投資に適切な資源を確保できるようになることも、もう一つの重要なポイントです。

新たなイノベーション戦略の一環として、エボニックは「バイオ由来ソリューション」、「エネルギー転換」、「循環型経済」といった最も将来性のある分野に経営資源を集中していきます。お客様にとって持続可能性に優れた製品やアプリケーションであるエボニックの次世代ソリューションは、非常に順調な展開をみせており、現在、グループ売上高の45%(2023年は43%)を占めています。

従来のテクノロジー&インフラストラクチャー部門は、2025年1月1日付で、各拠点のインフラストラクチャー・サービスと、戦略的テクノロジーに関する専門知識を提供する中央部門に分割されました。ドイツのマールとヴェッセリングの拠点は、今年後半にカーブアウトする予定です。これにより、エボニックはテクノロジー・リーダーとしてのポジションを維持し、さらに集中的に化学事業に取り組むことがきるようになります。

 

事業部門ごとの業績

スペシャルティアディティブス:

売上高は2%増の35.78億ユーロでした。販売数量の大幅増に牽引されましたが、材料費の低下を価格に転嫁したこと、またわずかな為替のマイナス影響があったことによる販売価格の下落が足かせとなりました。建設・コーティング業界向け製品の需要は大幅に拡大したものの、販売価格はわずかに下落しました。全体として、売上高は前年度を大幅に上回る結果となりました。オイルアディティブス部は、販売数量の拡大により、売上高が増加しました。ポリウレタンフォーム用添加剤や耐久消費財用の添加剤の売上高は、販売価格の下落傾向によりわずかに減少しました。クロスリンカー事業は、非常に競争の激しい価格動向により、売上高は前年度を下回りました。調整後EBITDAは11%増の7.44億ユーロとなりました。これは主に販売数量の大幅な増加と、それに伴う生産工場の稼働率向上、コスト削減が要因となっています。 調整後EBITDAマージンは前年の19.1%から20.8%に上昇しました。

ニュートリション&ケア:  

売上高は4%増の37.64億ユーロでした。これは販売数量の微増に加え、アニマルニュートリション部の販売価格が前年同期比で上昇したことによるものです。必須アミノ酸事業(アニマルニュートリション)は、販売数量の微増と、特に販売価格の上昇の恩恵を受け、売上高は大幅な伸びを見せました。ヘルスケア部の売上高は前年同期並みとなりました。例年通り、化粧品業界向け機能性成分のシステム・ソリューションは好調に推移しました。スロバキアで革新的なバイオサーファクタントの一種であるラムノリピッドを生産する工場は、2024年に初めて売上に貢献しました。調整後EBITDAは54%増の6.01億ユーロでした。これは、必須アミノ酸の販売価格上昇と、同事業のビジネスモデルの最適化によるコスト削減が主な要因となっています。その結果、調整後EBITDAマージンは前年の10.8%から16.0%に増加しました。

スマートマテリアルズ:  

売上高は、販売数量の増加と販売価格の下落による影響が相殺され、前年並みの44.5億ユーロでした。無機製品、特にシリカと触媒の需要が増加しましたが、販売価格の下落により、売上高は前年並みにとどまりました。また、ポリマー事業でも販売数量が増加傾向にあり、例えばポリアミド12は、販売価格の下落にもかかわらず、売上高は微増となりました。調整後EBITDAは11%増の6.01億ユーロとなり、主に販売数量の増加と変動費の削減に牽引されました。調整後EBITDAマージンは12.1%から13.5%に増加しました。

 

(本プレスリリースは、20253 5日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2024年度は、152億ユーロの売上、21億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、約32,000人の社員が働いています。

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