2025年度第2四半期業績発表
エボニック、経済環境に伴い四半期業績は低調
経済環境が一段と厳しさを増すなか、エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)の2025年第2四半期における調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は、前年同期の好調な業績から12%減の5.09億ユーロとなりました(2024年第2四半期:5.78億ユーロ)。
- 経済の不確実性により売上高が減少
- 第2四半期の調整後EBITDAは12%減少
- 2025年通期見通し:調整後EBITDAは予測範囲の下限を見込む
取締役会長(CEO)のクリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「第2四半期は、需要の低迷と高い不確実性に見舞われましたが、当社の業績にもそれが反映されています」と述べています。
第2四半期売上高は、前年同期比11%減の35億ユーロでした(2024年第2四半期:39.3億ユーロ)。この減少は主に、不利な為替変動の影響に加え、2024年第2四半期にはまだエボニックで展開していた高吸収性樹脂事業の売却によるものです。販売数量は4%減少しました。価格は概ね安定して推移しました。C4チェーン製品の売上高は平均を下回りました。また、ポリアミド12などの生産設備におけるメンテナンスに伴う操業停止も予定より長期化し、売上減少の一因となりました。
調整後EBITDAマージンは、前年同期とほぼ同水準の14.5%でした(2024年第2四半期:14.7%)。純利益は、組織の効率化を図る「エボニック・テーラーメイド」プログラムの引当金の影響で前年同期はマイナス500万ユーロだったのに対し、当期は1.2億ユーロでした。フリーキャッシュフローはマイナス2.11億ユーロとなりました(2024年第2四半期:プラス2.17億ユーロ)。この指標は、2024年度における運転資本の増加と、変動報酬支払額の大幅な増加による影響を受けています。
最高財務責任者(CFO)のマイケ・シュー(Maike Schuh)は「経済状況は5月と6月に明らかに悪化しましたが、下半期には、メンテナンスによる操業停止が少なくなり、一部の製品における新たな生産能力の強化による恩恵を受けると考えています」と述べています。
2025年の調整後EBITDAは、世界経済がこれ以上悪化しない限り、20億ユーロから23億ユーロの予測範囲の下限に達すると見込んでいます。
2025年のキャッシュ・コンバージョン・レートは、引き続き約40%になる見込みです。良好なフリーキャッシュフローを確保するため、設備投資額を1億ユーロ削減し、約7.5億ユーロとする予定です。ROCE(使用資本利益率)は、前年水準と同程度になると予想されています(2024年度:7.1%)。
事業部門の業績
カスタム・ソリューション:
2025年第2四半期の売上高は7%減の13.7億ユーロでした。これは販売数量の減少と為替のマイナス影響によるものですが、販売価格の微増により、売上高の減少が緩和されました。ポリウレタンフォーム用添加剤や耐久消費財用の添加剤の需要量は、著しく低下しました。塗料・コーティング業界向け製品の需要も、好調だった前年同期を下回りました。オイルアディティブスについては、需要の変化はほとんどみられませんでしたが、販売価格は上昇しました。全体として、添加剤の売上高は減少しました。ケア部門の売上高も販売数量が減少した結果、前年同期比で減少しました。調整後EBITDAは、主に販売数量の減少により10%減の2.54億ユーロとなりました。調整後EBITDAマージンは、前年同期の19.1%から18.6%に低下しました。
アドバンスド・テクノロジー:
第2四半期売上高は、販売価格のわずかな下落と為替のマイナス影響により1%減の15.1億ユーロでしたが、販売数量の微増により、売上高の減少が緩和されました。アニマルニュートリション事業の売上高は、販売数量の増加により前年同期比で大幅増となりました。無機製品部門では、過酸化水素事業がライセンス契約による恩恵を受けましが、全体として、無機製品の売上高は、需要全般の低迷により前年を下回りました。有機製品の売上高は、大幅に減少しました。これは、クロスリンカー事業における高い競争圧力と、高機能プラスチック事業における計画的なメンテナンスに伴う操業停止で販売数量が減少したことが、その要因となっています。調整後EBITDAは前年とほぼ同水準の2.66億ユーロで、業績不振の影響は前述の契約で合意された一時的な収入によって相殺された結果となりました。調整後EBITDAマージンは、前年同期の17.4%から17.6%に微増しました。
(本プレスリリースは、2025年8月 1日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。)
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、ドイツのエッセンに本社を置く世界的な化学企業です。革新的な強みと最先端の技術的専門知識を組み合わせ、化学のその先を目指しています。100カ国以上で事業を展開し、2024年度は152億ユーロの売上、21億ユーロの利益(調整後EBITDA)でした。業界をリードする力強いパフォーマーとして、オーダーメイドの製品とソリューションでお客様に決定的な競争優位性を提供します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、約32,000人の社員が働いています。
免責事項
このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。