2024年度第1四半期業績発表
エボニック、第1四半期は予想を上回る業績を達成 ― 見通しを確定
エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、資本市場の予想をはるかに上回る順調な2024年のスタートを切ることができました。
- 第1四半期の調整後EBITDAは28%増の5.22億ユーロ
- フリーキャッシュフローは堅調な伸びを示し、1.27億ユーロを達成
- 販売数量は4%増加
スペシャルティケミカルカンパニーであるエボニックの2024年度第1四半期の業績確定値は、4月16日に発表された速報値を裏付けるものでした。調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は、前年同期比28%増の5.22億ユーロを達成しました。フリーキャッシュフローも大幅増の1.27億ユーロとなり、2023年度第1四半期(0.21億ユーロ)を大きく上回りました。
取締役会長(CEO)のクリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「多くのお客様において、購買活動の回復傾向がみられますが、一部の業界や市場ではまだ抑制的な動きもあり、広範な回復には至っていません」と述べています。
第1四半期の販売数量は4%増加しました。一方、販売価格は、原材料価格の下落分を転嫁したことなどから5%下落しました。その結果、売上高は前年同期比5%減の38億ユーロでしたが、連結純利益は1.56億ユーロ(前年同期は0.47億ユーロ)となりました。調整後EBITDAマージンは3.6%ポイント上昇し、13.8%となりました。
最高財務責任者(CFO)のマイケ・シュー(Maike Schuh)は、「マージンの改善により、当社が正しい道を進んでいることが証明されました。コスト削減策が徐々に奏功しつつあり、特に販売価格が再び下落する中、これは重要な意味を持ちます。ただし財務目標達成までの道のりはまだ長く、小さな改善の積み重ねが必要です」と述べています。
エボニックは、今年度の目標達成を確信しており、これまで通り、調整後EBITDAを17億ユーロから20億ユーロの範囲、売上高を150億ユーロから170億ユーロの範囲と見込んでいます。キャッシュ・コンバージョン・レートは約40%、さらに前年度を大幅に上回るROCE(使用資本利益率)を予想しています。2024年度第2四半期の調整後EBITDAについては、第1四半期とほぼ同水準になると予測しています。
組織の効率化を図る「エボニック・テーラーメイド」プログラムは、年度末に向けて初めてコスト削減効果をもたらす見込みです。社会的責任のある人員の削減については、重要なポイントに関する交渉は終了しており、現在、従業員代表と密接に協議した上で進められています。第3四半期までには、エボニックの具体的な再編方法について詳細が決定され、その後、従業員代表の参加権を考慮しながら実施に移ることになります。発表されたテクノロジー&インフラストラクチャー部門を2部門へ分割する計画も順調に進んでいます。
事業部門ごとの業績
スペシャルティアディティブス:
顧客が低水準の在庫を補充したこともあり、販売数量が増加しました。しかし、第1四半期の売上高は9.08億ユーロで、前年同期をわずかに下回る結果となりました。これは原材料費の低下とわずかな為替のマイナス影響を価格転嫁し、販売価格が下落したことがその主な要因となっています。建設・コーティング業界向け製品は、販売数量の増加により顕著な増収となりました。ポリウレタンフォームおよび耐久消費財用の添加剤については、販売数量が増加し、販売価格が下落したため、売上高はほぼ横ばいとなりました。自動車用添加剤は、需要の拡大で前年度並みの売上高となりました。調整後EBITDAは、工場稼働率の上昇により10%増の1.85億ユーロとなり、調整後EBITDAマージンは18.2%から20.4%に改善しました。
ニュートリション&ケア:
第1四半期の売上高は、需要増と販売価格の小幅上昇により2%増の9億ユーロとなりましたが、為替の影響によりこのプラス傾向は鈍化しました。アニマルニュートリション部の必須アミノ酸事業は、販売数量の伸びと価格の微増による恩恵を受け、売上高は大幅増となりました。ヘルスケア部では、ケアソリューション製品に、販売数量の増加傾向がみられました。しかし、全体としては、販売価格がわずかに低下したため、同部の売上高は前年度を下回る水準にとどまりました。ニュートリション&ケア部門の調整後EBITDAは、販売数量の増加、変動費の減少、アニマルニュートリション部のビジネスモデルの最適化による経費削減により、84%増の1.4億ユーロとなりました。調整後EBITDAマージンは8.6%から15.6%に上昇しました。
スマートマテリアルズ:
2024年度第1四半期の売上高は8%減の10.9億ユーロとなりました。販売数量はほぼ横ばいでしたが、原材料費およびエネルギー費の低下が転嫁されました。無機製品の需要は引き続き減少しました。ポリマーの売上高は価格と為替の影響により減少しましたが、調整後EBITDAは前年度比微減の1.59億ユーロにとどまりました。HPPO製造プロセスのライセンス売却は、プラスに寄与しました。調整後EBITDAマージンは13.8%から14.5%に上昇しました。
パフォーマンスマテリアルズ:
売上高は9%減の6.46億ユーロでした。販売数量によるプラスの効果は、価格の低下と為替のマイナス効果によって相殺されました。前年度の数値には、2023年6月30日付で売却されたリュルスドルフの拠点の売上が含まれています。C4チェーン製品(パフォーマンス中間体)の事業は、製品の価格低下にもかかわらず、需要の増加により増収となりました。高吸水性樹脂は、販売数量の増加による恩恵を受けました。調整後EBITDAは、主に販売数量の増加により、前年同期を16%上回る0.43億ユーロとなり、調整後EBITDAマージンは5.2%から6.7%に増加しました。
(本プレスリリースは、2024年5月 8日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。)
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2023年度は、153億ユーロの売上、16.6億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、33,000人以上の社員が働いています。
免責事項
このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。