Press release
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May 15, 2025

2025年度第1四半期業績発表  

エボニック、順調な1年のスタートを切る ― 見通しを確定

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、厳しい経済環境にもかかわらず、2025年1~3月期に前年同期比で増益を達成しました。

•    第1四半期の調整後EBITDAは7%増加
•    フリーキャッシュフローは大幅に増加、販売数量も増加
•    景気の不透明感が増す中、業績見通しは良好

 

調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は5.6億ユーロで、良好な前年実績を7%上回りました。この増益は、販売数量の増加やアニマルニュートリション部の想定を上回る販売価格、さらに継続的なコスト管理によるものです。

取締役会長(CEO)のクリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「今年は幸先の良いスタートを切ることができました。ただ、迫り来る世界貿易戦争と武力紛争の影響により、今後の計画はこれまで以上に不透明なものとなっています。特に下半期には、さらなる景気減速のリスクが高まると予想しています」と述べています。

第1四半期の販売数量は、前年同期比で2%増加し、販売価格は2%下落しました。売上高はほぼ横ばいの37.8億ユーロでした。調整後EBITDAマージンは1%ポイント上昇し14.8%となりました。純利益は2.33億ユーロ(前年同期は1.56億ユーロ)、フリーキャッシュフローは53%増の1.95億ユーロでした。

最高財務責任者(CFO)のマイケ・シュー(Maike Schuh)は、「効率化への取り組みが定着しつつあります。経済に対する懸念が再燃している中で、これは急務となっています。予測不可能な環境であればあるほど、進むべき道は一層明確であるべきで、計画に従って改善を実現しなければなりません」と述べています。

年初の数ヶ月で経済情勢は厳しさを増し、米国の保護貿易主義的政策の強化により不確実性がさらに高まっています。しかしながら、エボニックは年初に好スタートを切れたことを受け、業績予想を確定しました。2025年の調整後EBITDAは引き続き20億ユーロから23億ユーロの範囲を見込んでいます。

アニマルニュートリション部の価格動向が予想を上回ったことが、第1四半期の増益を後押ししました。この傾向は少なくとも第2四半期まで続く見込みです。2025年のキャッシュ・コンバージョン・レートは引き続き約40%、資本支出はほぼ横ばいの8.5億ユーロを見込んでいます。ROCE(使用資本利益率)は今年さらに改善する見通しです。

エボニックは、コスト管理に重点を置き、組織の効率化を図る「エボニック・テーラーメイド」プログラムや事業内の様々な最適化プロジェクトに取り組むことで、外部要因に依存しない企業を目指しています。他の改善プログラムと併せて、「テーラーメイド」は今年度に数十億ユーロのコスト削減を達成し、収益増に大きく貢献する予定です。マネジメントモデルをスリム化し、コーポレートのユニット数を削減した新しい組織構造を導入しました。第2四半期の初めには、事業部門のマネジメント階層を撤廃しています。その結果、化学事業は2つのセグメントに集約され、現在は取締役会の担当役員が直接運営を行っています。

エボニックは、2025年5月22日に開催するキャピタルマーケットデーにおいて、戦略的方向性や目標についてより詳しい情報を提供する予定です。

 

事業部門ごとの業績

スペシャルティアディティブス:

2025年度第1四半期の売上高は1%増の9.23億ユーロでした。これは販売数量がわずかに増加したことと為替のプラス効果によるものです。販売価格は前年同期をわずかに下回りました。塗料・コーティング業界向け製品は好調で、販売数量は著しく増加し、売上高は前年同期を大幅に上回りました。クロスリンカー事業は、販売数量の増加を背景に売上高が増加しました。オイルアディティブス部も世界的な販売数量の増加により売上高が増加しました。ポリウレタンフォーム用添加剤や耐久消費財用の添加剤は、販売数量の減少により、売上高が前年を下回りました。調整後EBITDAは1%増の2.01億ユーロでした。調整後EBITDAマージンは21.9%で、前年同期(21.8%)と同水準で推移しました。

ニュートリション&ケア:  

2025年度第1四半期の売上高は、主に販売数量の増加により12%増の10.07億ユーロでした。必須アミノ酸事業(アニマルニュートリション部)の売上高は、販売数量の大幅な増加と、顧客からの供給契約解除に伴う補償金の支払いにより増加しました。ヘルスケア部は、原薬事業が好調に推移し、増収となりました。ケア製品の売上高は、販売数量に関連する要因により前年同期比で減少しました。調整後EBITDAは35%改善し、1.97億ユーロとなりました。これは主に、顕著な販売数量の増加、アニマルニュートリション部の事業モデルの最適化による経費節減、および補償金の支払いによるものです。調整後EBITDAマージンは前年同期の16.2%から19.6%へと大きく上昇しました。

スマートマテリアルズ:  

2025年第1四半期は、販売数量および販売価格が概ね前年同期並みとなり、売上高はほぼ横ばいの10.98億ユーロでした。無機製品は、全体的に需要がわずかに増加し、販売価格も安定しましたが、貴金属価格の下落もあり、売上高はわずかに減少しました。ポリマー事業では、販売数量の増加と販売価格のわずかな改善により売上高が増加しました。調整後EBITDAは1.49億ユーロで、ライセンス収入を含む前年同期を7%下回りました。調整後EBITDAマージンは前年同期の14.6%から13.6%に減少しました。

(本プレスリリースは、2025年5月12日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2024年度は、152億ユーロの売上、21億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、約32,000人の社員が働いています。
 

免責事項

のプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。