2024年度第2四半期業績発表
エボニック、第2四半期業績発表後、見通しを大幅上方修正
エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、厳しい経済環境が続く中、2024年度第2四半期の業績を大幅に伸ばしました。
- 速報値を裏付ける確定値:第2四半期の調整後EBITDAは前年同期比で大幅に増加、第1四半期をも上回る
- フリーキャッシュフローは再びプラスに
- 新たな見通し:調整後EBITDAは19億ユーロから22億ユーロの範囲を見込む
この業績確定値は、7月15日に発表された速報値を裏付けるものでした。
調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は前年同期比28%増の5.78億ユーロ、フリーキャッシュフローは、前年同期のマイナス2.03億ユーロから大幅に増加し、2.17億ユーロとなりました。
現在実施している組織効率化プログラムについて、取締役会長(CEO)のクリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「コスト削減を進め、課題解決に取り組んでいます。現在は、景気による追い風が吹いていないため、主に自助努力に頼らざるを得ない状況です」と述べています。
第2四半期のグループ売上高は、前年同期比1%増の39.3億ユーロでした。販売価格は、原材料費の低下を価格転嫁したことなどから、2%下落しました。一方、アニマルニュートリション部の価格は回復傾向が続きました。また、エボニック全体では販売数量を5%増加させることができ、特にスペシャルティアディティブス部門の販売数量は、2桁増と大幅な伸びを記録しました。継続的に厳格なコスト管理を行い、さらに製造コストを削減したことも、販売数量の改善に寄与しました。調整後EBITDAマージンは3.1%ポイント上昇し、14.7%となりました。
最高財務責任者(CFO)のマイケ・シュー(Maike Schuh)は、「当社が正しい方向に向かっており、主要な業績が前年度よりで改善しているのは、実に心強いことです。しかしながら、現在の回復は2023年の非常に低調な業績と比較したものであり、目標達成への道のりはまだ険しい状況が続いています」と述べています。
7月15日、エボニックは2024年の調整後EBITDAの見通しを上方修正し、現在、19億ユーロから22億ユーロの範囲を見込んでいます(修正前は17億ユーロから20億ユーロの範囲)。その他の主要業績数値の見通しは据え置きで、売上高は150億ユーロから170億ユーロを見込んでいます。キャッシュ・コンバージョン・レートは約40%、さらに前年度を大幅に上回るROCE(使用資本利益率)を予想しています。第3四半期の調整後EBITDAは、第2四半期と同水準を見込んでいます。
組織の効率化を図る「エボニック・テーラーメイド」プログラムは、今年末からコスト削減効果をもたらす見込みです。ドイツにおける社会的責任のある人員の削減枠組みに関する交渉は終了しました。削減を実施するため、第2四半期に2.38億ユーロの引当金を計上しました。引当金を除くと、上半期の一般管理費は前年比ですでに5%減少しています。第2四半期は500万ユーロの純損失を計上しましたが、これも主に引当金によるものです。前年同期の純損失は2.7億ユーロでした。
エボニックは明確な方針を持って製品群の開発を続けています。スロバキアで世界初となる工業規模の持続可能なバイオサーファクタント製造工場を操業することは、エボニックが洗剤・化粧品・パーソナルケア業界において、グリーントランスフォーメーションの推進に真剣に取り組んでいることを示しています。エボニックは、長期的に10億ユーロの売上が見込まれるこの市場セグメントでリーダーになりたいと考えています。スロベンスカ・ジュプチャ(Slovenská Ľupča)の工場は、2026年末までに本格稼働する予定です。
高吸水性樹脂事業の売却は、今年度第3四半期中に完了する予定です。パフォーマンスマテリアルズ部門を構成していた3つの事業部のうち、2つが新たなオーナーに引き継がれることになります。
事業部門ごとの業績
スペシャルティアディティブス:
2024年度第2四半期の売上高は、顕著な販売数量の増加に支えられ、前年同期比4%増の9.44億ユーロでした。販売価格は、原材料費の低下とわずかな為替のマイナス影響を転嫁したことから下落しました。塗料・コーティング業界向け製品は、特に欧州とアジアで需要が大幅に増加し、前年を上回る売上高を達成しました。ポリウレタンフォーム用添加剤や耐久消費財用の添加剤は、価格の下落にもかかわらず、販売数量の増加によりわずかに増収となりました。自動車用添加剤は、世界的に販売数量が増加したため、売上高は前年を大幅に上回りました。クロスリンカー事業も需要が顕著に高まりましたが、価格下落により売上高は前年を下回りました。調整後EBITDAは、販売数量の増加、それに伴う工場稼働率の向上、原材料費の低下により、11%増の2.2億ユーロとなりました。調整後EBITDAマージンは前年同期の22.0%から23.3%に上昇しました。
ニュートリション&ケア:
2024年度第2四半期の売上高は1%増の9.05億ユーロでした。販売価格の上昇と為替のプラス効果は、販売数量の減少によりほぼ相殺されました。必須アミノ酸事業(アニマルニュートリション)は価格上昇の恩恵を受けたものの、シンガポールでの事業拡大停止により販売数量は前年を下回りました。全体としては売上高が増加し、ヘルスケア部はほぼ前年並みの売上高となりました。ニュートリション&ケア部門の調整後EBITDAは97%増の1.4億ユーロとなりましたが、これは主に必須アミノ酸の販売価格の上昇とアニマルニュートリション事業モデルの最適化によるコスト削減が要因となっています。調整後EBITDAマージンは8.0%から15.5%へと大幅に上昇しました。
スマートマテリアルズ:
2024年第2四半期の売上高は3%増の11.47億ユーロでした。販売数量の増加により売上高が伸びた一方、販売価格は主に原材料費の低下を転嫁したため下落しました。無機製品は、需要拡大により売上増となりました。ポリマーは販売数量の大幅増により、売上高を伸ばすことができました。前年度は、ポリアミド12の生産拠点の計画的なメンテナンスに伴う操業停止によるマイナスの影響を受けました。調整後EBITDAは、主に販売数量の増加と変動費の削減により、40%増の1.71億ユーロとなりました。対応する調整後EBITDAマージンは10.9%から14.9%に増加しました。
パフォーマンスマテリアルズ:
2024年度第2四半期の売上高は6.48億ユーロと、前年同期比7%減となりました。ただし、前年度の数値には2023年6月30日付で売却されたリュルスドルフの拠点の売上が含まれています。C4チェーン製品(パフォーマンス中間体)は、需要の拡大と販売価格の改善により、大幅な売上増となりました。一方、高吸水性樹脂の売上高は減少しました。調整後EBITDAは、販売数量の増加と変動費の削減により、16%増の5,200万ユーロとなりました。調整後EBITDAマージンは6.5%から8.0%に増加しました。
(本プレスリリースは、2024年8月 1日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。)
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2023年度は、153億ユーロの売上、16.6億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、33,000人以上の社員が働いています。
免責事項
このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。