Press release
Japan
April 6, 2009

2008年エボニック グループ業績発表

多様なポートフォリオによる健全な業績

  • 2008年度は売上が10%増加し、金利・税金・償却前利益(EBITDA)は 3%減少
  • 投下資本に対する収益を示す使用総資本利益率(ROCE)が前年に引き続き資本コストを上回る
  • コストを5億ユーロ削減するため、広範囲に及ぶコスト削減プログラムを 導入
  • 研究開発は収益性の高い成長の要因
  • 2009年には売上とEBITDAが減少する見通し

エボニック インダストリーズ(ドイツ、エッセン)は3月24日に2008年度の決算報告をおこないました。取締役会長のクラウス・エンゲルは「エボニックは厳しい景気情勢のなか健闘した。現在の経済状況では、化学、エネルギー、不動産からなる多様なポートフォリオは企業体力を強化し、不況を乗り越えるにあたり有利性を与えてくれる」と述べました。営業活動を見ると、2008年の最初の10ヶ月間にエボニックは非常に好調であり、収益が大幅に向上しました。しかし、11月に化学部門の主な市場の需要が急落したことにより、強い逆風を受けています。それにも関わらず、エンゲルは「エボニックは前代未聞の深刻な景気後退を切り抜けるうえで好位置に付けている」と先行きに自信を示しています。

売上が前年より増加したが、不況により収益の伸びが相殺される

エボニック グループの2008年の売上は10%上昇して158.73億ユーロに達しました(前年は144.44億ユーロ)。売上の60%以上がドイツ国外からもたらされています。内訳は、ヨーロッパ(ドイツを除く)が24%、アジアが17%、北米が14%、中南米およびメキシコが4%、その他の諸国が1%でした。

2008年の営業外損益前の金利・税金・償却前利益(EBITDA)は3%減少し、21.71億ユーロを計上しました(2007年は22.36億ユーロ)。11月と12月の化学部門の売上高の急激な落ち込みにより、10月までに達成された収益増を上回る額が相殺されました。

世界的な経済不況の結果として、2008年の営業外損益に4.06億ユーロの高額な特別損失が含められました(2007年は3.70億ユーロ)。具体的には、化学部門における固定資産の減損、グループの再建費、ドイツ国外のいくつかの小規模な拠点の閉鎖計画、またブランド強化のための支出が含まれています。

2008年の非継続事業からの税引前利益は大幅に減少し、1.34億ユーロになりました(2007年は6.30億ユーロ)。2008年の結果はタールの精製と開始剤事業からの投資引き上げによる収益が大半を占めていますが、2007年には、探鉱技術会社であるDBT社とSaarFerngas社からの投資引き上げによる多額の収益が含まれていました。

経済不況による2008年の大規模なマイナス影響および前年の事業売却による高収益を合わせると、純利益は67%減少して2.85億ユーロになりました(前年は8.76億ユーロ)。

投下資本に対する収益が資本コストを上回る

2008年にエボニックは引き続き資本コストを上回る収益を得ました。経済付加価値は1.53億ユーロでした。使用総資本利益率(ROCE)は9.1%(2007年は9.7%)であり、同グループの現在の資本コストである8%を3年連続で上回りました。

継続事業のキャッシュフローは3.88億ユーロを計上し、前年の12.15億ユーロを下回りました。これは前年よりも高額の所得税の支払いに加え、主に運転資金の大幅増に起因しています。投資活動に対する資金支出は、前年の3.29億ユーロから5.55億ユーロに増加しました。投資に対する資金支出は対前年比で増加していますが、非中核事業からの投資引き上げによる収益は低下しました。その結果、純金融負債が前年比で6.59億ユーロ増加し、2008年12月31日現在45.83億ユーロに達しました。

5億ユーロの削減に向けて広範なコスト削減策を導入

エボニックは世界的な不況に耐える企業体力をつけ、企業価値を高めるという中期目標を達成するため、広範囲に及ぶコスト削減プログラムを導入しました。このプログラムは、2012年までに世界中で年間5億ユーロのコストを削減することを目標に掲げています。例えば、世界の100ヶ所以上のエボニックの拠点におけるインフラの最適化や、生産効率の持続的な改善が挙げられます。

エボニックは、プラスチック、自動車、塗装と顔料、建設セクターなどの主要なエンドマーケットにおいて化学商品の需要が世界的に急落したことに対し、生産規模を縮小するとともに一部施設を閉鎖することにより、迅速に対応しました。現在エボニックでは、ドイツ国内でおよそ3,000人の社員が労働時間を短縮しています。この目的は、景気後退による人員解雇を避けることです。

現在の経済不況を考えると、キャッシュフローの確保はとりわけ重要です。このためエボニックは2009年の投資計画を削減しました。投資予算の総額は10億ユーロをわずかに下回る金額に抑えられています。最大の個別プロジェクトとして、ドイツのデュイスブルク・ヴァルスムに750メガワットの硬石炭発電所が建設されます。この発電所は2010年に操業開始する予定です。エボニックは、高いエネルギー効率を達成しながら天然資源を節約することができる無煙炭からの発電を可能にする先進技術のパイオニア企業です。新しい発電所のエネルギー効率は45%を超える見込みですが、これはドイツ国内の現在の最高効率よりも約5%高く、同様の条件で操業している国際的な発電所の水準よりも際立って高い数字です。また、中国の上海に建設されているポリメチル・メタクリレート(PMMA)特殊ポリマーの統合生産プロジェクトは、順調に進行しています。

収益性の高い成長の基盤として、多額の研究開発費を維持

エボニックは、費用を削減せずに研究開発を推し進めています。エンゲルは「研究開発は将来に向けた成長をけん引する重要な要因」と指摘しています。エボニック グループは研究開発に年間3億ユーロ以上を支出しています。2008年秋にエボニックは3番目となる「サイエンス トゥー ビジネス(S2B)」センター、Eco2(エコ・スクエア)を開設しました。Eco2はエネルギー効率を上げると同時に、3部門のプロジェクトを集結させることを目的とした初めてのものです。エボニックの3ヵ所のS2Bセンターだけで、2015年までに約10億ユーロの年間売上が追加される見込みです。エボニックは最先端のリチウムイオン技術を戦略的研究段階から市場成熟段階にまで発展させ、この分野において2008年12月にダイムラー社と提携しました。「これらのイノベーションは将来のアイデアを体現するものであり、エボニックは着実に新しい市場に向けて前進している」とエンゲルは述べています。

RAG基金とCVCが安定株主としての環境整備

2008年には、エボニックの将来に向けた重要な戦略ステップが実施されました。6月に、エボニックの単独所有者であったRAG基金が、持ち株の25.01%をイギリスの投資会社であるCVC キャピタルパートナーズに売却しました。両株主が公表している目標は中期的な将来、エボニックの株式の74.9%を株式市場に上場することです。エンゲルは「それまでの間、エボニックの競争力を高めるとともに、株式市場における立ち位置を強化する。安定株主とエボニックの長期的な発展に対する共通理解により、この目標が支持されている」と話しています。

3部門すべてから2008年に経済的付加価値が発生

化学部門は2008年に売上が9%伸び、115.12億ユーロを計上しました(2007年は105.71億ユーロ)。これは主に、原材料費の急騰に対応するための値上げなどによる価格上昇(+10ポイント)に起因しています。一方、2008年の最後の2ヶ月間に需要が急落したため、売上高はわずかに(-1ポイント)減少しました。整理統合範囲の変更(+2ポイント)と為替レートの変動(-2ポイント)は、互いに相殺しあう結果となりました。化学部門の金利・税金・償却前利益(EBITDA)は16.00億ユーロを計上しましたが、これは前年の16.10億ユーロをわずかに下回っています。2008年の最初の10ヶ月間に計上された約1億ユーロの増収は、11月と12月の経済不況により完全に相殺されました。2008年の年間を通じた原料費とエネルギー費の大幅な値上がりが収益に下方圧力をかけるとともに、ユーロ高(特に米ドルに対する)も収益に対するマイナス影響となりました。これらは最初の10ヶ月間の売上高の大きな伸び、高い設備稼働率、コスト削減の成功により、完全に相殺されました。資本コスト9.0%に対し、化学部門のROCEは9.9%(2007年は10.1%)になりました。

エネルギー部門の売上は、石炭価格の大幅な上昇とそれに伴う電力価格の上昇により21%増加して36.49億ユーロ(2007年は30.24億ユーロ)を計上しました。エネルギー分野のEBITDAは5.45億ユーロとなり、前年の5.81億ユーロ(フィリピンのミンダナオ発電所の34%の株式の投資引き上げによる収益と、2008年初めに投資引き上げしたSOTEC社のEBITDAを含む)を下回りました。資本コスト7.5%に対し、ROCEは13.1%(2007年は15.3%)でした。

不動産部門の売上は、不動産売却の減少により、前年の4.23億ユーロを下回る3.75億ユーロを計上しました。EBITDAは15%増加して2.17億ユーロになりました。EBITDAが前年の1.88億ユーロから増加した理由は、THS社の整理統合が初めて財務諸表に反映されたことです。資本コスト5.3%に対し、ROCEは9.2%(2007年は8.3%)でした。

2009年の見通し

2009年の見通しは極めて不確実です。このため、個別の売上と収益の指標について信頼性の高い予測を行うことは困難です。

化学部門は2008年最後の数ヶ月に大規模な経済不況の打撃を受けましたが、2009年に景気が急速に回復することは考えられません。主原料の購買価格の値下がりと広範なコスト削減策によって、下落傾向がかろうじて和らげられています。エネルギー部門は長期供給と大手顧客との取引契約に集中していることから、わずかに低迷するだけで済むことが予想されます。個人世帯向けの賃貸住宅に集中している不動産部門も、経済不況が多大な影響を及ぼすことはない見通しです。

しかし、化学部門はエボニック グループの経営において重要な地位を占めていることから2009年は売上が大幅に低下することを予測しており、EBITDAにマイナス影響が及ぼされると見ています。

エボニックインダストリーズについて

エボニック インダストリーズ AGは「化学」「エネルギー」「不動産」の3つの収益性の高い有望な事業を展開するクリエイティブなグループです。エボニックはスペシャリティケミカルのグローバルリーダー、石炭や再生可能エネルギーによる発電のエキスパート、そしてドイツでは最も大きな個人向け不動産会社のひとつです。私たちの強みは創造性・専門性・自己革新力・信頼性です。エボニックインダストリーズは世界100ヶ国以上で活動しており、2008年度は41,000人の社員を有し、総売上高は159億ユーロ、EBITDA(金利・税金・償却前利益)は22億ユーロを計上しました。

免責事項

このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニックインダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。