2009年第1四半期(1月1日から3月31日) 業績発表
- 売上高19%減、金利・税金・償却前利益(EBITDA)49%縮小、
EBITDAマージンは10.3%と2桁を継続 - キャッシュフローは大幅増加、純負債減少
- コスト削減プログラムが急速に進行中
- 2009年の展望:化学部門における全面的な景気好転の兆しは未だ見えず
世界的な経済不況はエボニック インダストリーズの事業、中でも化学部門に対し、2009年第1四半期も引き続き深い傷跡を残しました。エボニックはこの不況がもたらす困難に立ち向かうため、「On Track(軌道に乗って)」効率改善プログラムを導入しました。本プログラムには、エボニック グループがさらなる効率改善のために実施するあらゆる取り組みが組み込まれています。グループを強化し、将来に向けて堅実な土台を築くためには、コスト構造を初めとする徹底した合理化が必要です。エボニックはこれら取り組みのすべてにおいて、予定通りに進行しています。
On Track」はエボニック グループの競争力をさらに強化し、景気回復時にさらなる強さを発揮できるよう計画されています。本プログラムの主要素は、積極的なポートフォリオ運用、経営体制の再構築、短期的収益力と持続的収益力の活用の3つです。これによりエボニックは、将来の資本市場の要求を満たすことを目的として、企業価値向上にむけた中期的な目標を達成するための基盤改善を行います。エボニックは本年の初めに広範囲に及ぶコスト削減プログラムを導入しました。その目標は2012年までに世界中でおよそ年間5億ユーロを持続的に削減することです。今年エボニック グループは3億ユーロのコスト削減を予定していますが、その削減策の一部は単発的で一時的なものとなっています。
プログラムは順調に進行しており、現在までの成果に基づき、エボニックは2009年の削減目標である3億ユーロを達成できることを強く確信しています。削減予定額の3分の2は、外部委託の縮小と出張費などの営業経費削減によるものです。残りの3分の1は社員の協力によるもので、本年は賞与など変動報酬の50%カットなどが、大きく貢献しています。この3分の1にはその他、本年は管理職の基本給を据え置く決定も含まれています。これに平行してエボニックは、5億ユーロのコスト削減目標達成に向けて熱心に取り組んでいます。初期段階において、すでに目標削減額のおよそ25%を達成する施策が決定されています。
経済状況により、売上高と収益が大幅低下
本年1月から3月において、エボニック グループの売上高は19%縮小し、32.05億ユーロとなりました(2008年第1四半期:39.39億ユーロ)。化学部門の売上高は24%後退し、22.12億ユーロとなりました(2008年第1四半期:29.06億ユーロ)。これは販売量の急激な落ち込み(−27ポイント)に加え、連結範囲の変更(−1ポイント)によるものです。好材料としては、価格上昇(+1ポイント)、為替レートの変動(+3ポイント)がありました。エネルギー部門では、売上高が1%増加し、8.73億ユーロとなりました(2008年第1四半期:8.62億ユーロ)。不動産部門では、売上高は前年同期の0.83億ユーロから2%減少し、0.81億ユーロとなりました。
グループの金利・税金・償却前利益(EBITDA)は49%減少し、3.31億ユーロとなりました(2008年第1四半期:6.51億ユーロ)。これは、原材料価格がさらに下落したことによる化学およびエネルギー部門における在庫価値の減損など、単発的な営業経費によるものです。化学部門における2009年第1四半期のEBITDAは2.33億ユーロでした(2008年第1四半期:4.61億ユーロ)。また本部門の大きな収益悪化材料として、需要の急激な落ち込みがあり、そのため設備稼働率がさらに低下しました。エネルギー部門における2009年第1四半期のEBITDAは1.00億ユーロでした(2008年第1四半期:1.93億ユーロ)。本部門での悪化は、主として石炭価格がさらに下落したことによる石炭取引への悪影響が原因で、単発的な営業事象です。不動産部門の業績は好調で、EBITDAは0.39億ユーロとなりました。前年同期の0.69億ユーロという高い数字は、商業用不動産事業からの撤退に伴う不動産売却益が押し上げたものです。
経済状況による業績悪化のため、2009年第1四半期の当期損益は、2008年第1四半期の利益2.84億ユーロと比較して0.46億ユーロの損失となりました。
流動性確保の取り組みが実を結ぶ
現在の経済状況を考慮し、エボニックは流動性と収益の確保を優先事項としています。したがってエボニック グループでは2009年第1四半期の有形固定資産投資を30%縮小し、1.59億ユーロとしました(2008年第1四半期:2.26億ユーロ)。また、純運転資金も大幅に削減しました。これにより2009年第1四半期の業績悪化にもかかわらず、継続事業のキャッシュフローが大幅に改善し、4.41億ユーロとなりました(2008年第1四半期:2.65億ユーロ)。これにより投資資金を確保し、純負債を2008年末から2.09億ユーロ削減し、43.74億ユーロとすることができました。
2009年の展望
2009年の展望は引き続き非常に不透明です。そのため定量的な予測を立てることは不可能です。エボニックのおよそ75%を占める化学部門では、引き続き困難な経済状況に直面しています。エボニックは3月、化学部門の一部でわずかな回復を記録しましたが、全面的な景気好転の兆しは未だ見えません。
グループ全体に占める化学部門の大きさを考えると、エボニックの売上高と収益は2009年も大幅に低下すると予想されます。
エボニック インダストリーズについて
エボニック インダストリーズ AGは「化学」「エネルギー」「不動産」の3つの収益性の高い有望な
事業を展開するクリエイティブなグループです。エボニックはスペシャリティケミカルのグローバ
ルリーダー、石炭や再生可能エネルギーによる発電のエキスパート、そしてドイツでは最も大き
な個人向け不動産会社のひとつです。私たちの強みは創造性・専門性・自己革新力・信頼性で
す。エボニック インダストリーズは世界100ヶ国以上で活動しており、2008年度は41,000人の
社員を有し、総売上高は159億ユーロ、EBITDA (金利・税金・償却前利益)は22億ユーロを計
上しました。
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