Press release
Japan
August 21, 2009

2009年上半期(1月1日から6月30日)業績発表

「On Track」効率化プログラムの意欲的な始動により、不況後の当期実績は一歩前進

  • 経済不況の影響で業績悪化、売上高21%減、金利・税金・償却前利益(EBITDA)34%縮小
  • キャッシュフローは大幅増加、純負債は大幅減少
  • 2009年の展望:抜本的な業績好転の兆しは未だ見えず

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)による2009年上半期業績発表に際し、エボニック インダストリーズ AG 取締役会会長クラウス・エンゲルは、「ここ数カ月、若干の改善が見られたものの、抜本的な業績好転の兆しは未だ見えません。深刻な落ち込みが見られた2009年第1四半期に比べ、直近の数カ月間は、化学部門では若干の回復が見られた分野もありましたが、未だ低水準の回復にすぎません」と述べました。

経済危機に起因する諸課題を乗り越えるという短期目標、また、競争力強化という長期目標を実現するために、エボニックは「On Track」効率化プログラムへの取り組みを迅速に進めています。本プログラムの主要素は、経営体制の組織的な再構築、積極的なポートフォリオ運用、断固とした経費削減の3つです。エボニックでは2009年単年で3億ユーロの経費削減を計画しています。エンゲル会長は、「3億ユーロは年初に設定した目標です。半年を過ぎた現在は、これ以上の削減を実現できると確信しています」と述べました。またエボニック グループは、2012年までに世界中でおよそ年間5億ユーロを持続的に削減し、その成果を活用するという目標に向け順調に進行しています。

概ね、経済危機が終息するころはエボニックは体力強化できることを確信できます。「エボニックは、流動性向上と負債低減という取り組みを大いに前進させています」とエンゲル会長はコメントしました。エボニック グループはこれまでに運転資金を大幅に削減しており、投資先を絞り込み、重要な戦略的プロジェクトに集中させています。またキャッシュフローの大幅な改善により設備投資資金を確保し、負債を大幅に削減することができました。

需要の激減により売上高と収益が縮小

エボニック グループの2009年上半期の売上高は21%縮小し、62.81億ユーロとなりました(2008年上半期:79.33億ユーロ)。
概して、化学部門の需要は年初に落ち込みましたが、第2四半期にわずかながら好転しました。一部の部門や地域では需要にわずかな回復を記録しましたが、総じて販売量は前年度に比べ急激に落ち込んでいます。その結果、2009年上半期の売上高は22%減の45.60億ユーロとなりました(2008年上半期:58.73億ユーロ)。エネルギー部門では石炭価格の下落と取引量減少の影響で売上高は15%後退し、14.52億ユーロとなりました(2008年上半期:17.13億ユーロ)。不動産部門の売上高は前年度の1.77億ユーロからわずかに成長し、4%増の1.84億ユーロとなりました。

エボニック グループのEBITDA(金利・税金・償却前利益)は34%減少し、8.39億ユーロとなりました(2008年第1四半期:12.79億ユーロ)。これは特に化学およびエネルギー部門における在庫価値の減損など単発的な営業経費によるものです。
化学部門のEBITDAは33%減の6.28億ユーロとなりました(2008年上半期:9.32億ユーロ)。本部門の大きな収益悪化材料として、需要の急激な落ち込みによる大幅な販売量低下があり、その結果、設備稼働率は急激に低下しました。一方で、原材料費の全般的な下落と多大な努力による経費削減の成功はプラス要因となりました。エネルギー部門の2009年上半期EBITDAは1.99億ユーロとなりました(2008年上半期:3.49億ユーロ)。本部門での主たる悪化要因は、発電不況の影響による石炭価格の大幅な下落と石炭取引量の減少が原因となった一時的な営業事象です。不動産部門のEBITDAは0.84億ユーロとなりました。前年同期の1.15億ユーロという高い数字は、商業用不動産事業からの撤退に伴う不動産売却益が押し上げたものです。

当期純利益は0.43億ユーロの黒字となりましたが、不況の影響を受けた業績悪化により、前年同期の5.20億ユーロを大幅に下回る結果となりました。エンゲル会長は、「エボニックの2009年上半期業績には、世界的な経済危機の影響がはっきりと表れています。一方で、これらの数字はエボニック グループ全体で取り組んでいる施策が奏功していることも示しています。取り組みが順調に進行しているからこそ、現在エボニックは持久でき、将来はさらなる体力強化がかなうのです」と述べました。

キャッシュフローの改善が負債減少に寄与

流動性と収益の確保への取り組みは高い成果を挙げました。
営業活動によるキャッシュフローは、前年同期の1.83億ユーロに対し、2009年上半期は8.09億ユーロと大幅に改善しました。改善の主因は、体系的な施策実施により運転資金を低減したことです。営業活動によるキャッシュフローの改善により、純負債を2008年末から6.24億ユーロ削減し、39.59億ユーロとすることができました。

一方で、設備投資はグループ全体で昨年同期の4.37億ユーロからおよそ29%削減し、3.10億ユーロとしました。戦略的プロジェクトへの出資は、経済危機の影響が残る中でも、さらなる投資引き締め計画の影響を受けませんでした。最も重要な設備投資先は、ヴァルズム発電所第10号機(欧州で最新鋭の石炭火力発電所)、ならびに中国、上海でのメタアクリレートおよびその誘導品の総合製造施設の建設です。

2009年の展望

2009年の展望は引き続き非常に不透明です。そのため売上高と収益について定量的な予測を立てることは不可能です。

今後も経済危機が継続し、その影響による販売量の減少により、引き続き2009年のエボニックの売上高と収益は、2008年に比べ大幅に低下すると予想されます。

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エボニックインダストリーズについて

エボニック インダストリーズ AGは「化学」「エネルギー」「不動産」の3つの収益性の高い有望な事業を展開するクリエイティブなグループです。エボニックはスペシャリティケミカルのグローバルリーダー、石炭や再生可能エネルギーによる発電のエキスパート、そしてドイツでは最も大きな個人向け不動産会社のひとつです。私たちの強みは創造性・専門性・自己革新力・信頼性です。エボニックインダストリーズは世界100ヶ国以上で活動しており、2008年度は41,000人の社員を有し、総売上高は159億ユーロ、EBITDA (金利・税金・償却前利益)は22億ユーロを計上しました。

免責事項

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