2009年第3四半期(1月1日から9月30日)業績発表
第3四半期にグループ収益が大幅に改善
- 金利
- 税金
- 償却前利益(EBITDA)は前年同期比で18%増加したが、売上は 20%減少
- On Track」効率向上プログラムが成果を上げる
- 経済不況のあおりを受け、9ヶ月間の売り上げとEBITDAは前年から大幅減
- 9ヶ月間の営業活動によるキャッシュフローは約4倍増―純負債が大幅減
- 事業の好転にも関わらず、2009年全体の慎重な見通しは変わらず
エボニックインダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)は2009年第3四半期および9ヶ月間のグループ全体の業績を発表しました。クラウス・エンゲル最高経営責任者は「コスト削減と効率改善の努力から一定の成果が上がっています。厳しい経営環境ですが弊社は正しい方向に向かっています」と述べています。第3四半期もエボニックの事業は世界的な経済不況の悪影響を免れませんでした。しかし、化学部門では、数量は依然として昨年を下回っているものの、2009年上半期と比べて需要が明らかに好転しています。
エボニックグループ全体では、2009年第3四半期に33億900万ユーロの売り上げを計上しました。これは昨年同期(2008年第3四半期:41億3,800万ユーロ)と比較して約20%下回っていますが、2009年第2四半期からほぼ8%増加しました。
効率を改善してコストを削減しようとする迅速な努力が、収益の確保に大きな役割を果たしました。2009年第3四半期にグループの金利・税金・償却前利益(EBITDA)は前年同期(5億3,500万ユーロ)から18%増加して6億2,900万ユーロを計上しており、今年初めて営業利益が増加しました。3事業すべてが2009年第2四半期と比較して23%の増加に寄与しました。2009年第3四半期のEBITDA利益幅は19%増加しています(2008年第3四半期:12.9%)。2009年第3四半期の純利益は大幅増となり1億6,800万ユーロを計上しました(同7,200万ユーロ)。
エンゲル会長は、エボニックの競争力を実質的かつ持続的に向上させることを目標とした「On Track」効率改善プログラムの進展に満足の意を示しています。このプログラムの3つの主要な柱は、経営体制の再編成、積極的なポートフォリオの運用、断固とした経費削減です。エンゲル会長は「今年1年間だけで3億ユーロを節減するという当初の目標を上回ることができる見込みです」と話しています。またグループは、2012年までに年間約5億ユーロの継続的な節減を達成するという目標に向けて急速に前進しています。
3事業すべてが好調な業績を報告
第2四半期に化学部門の一部で認められた需要の好転は、第3四半期にさらに強化され、他の産業にも拡大しています。特にアジアとヨーロッパにおいて需要の回復を報告していますが、北米での事業は停滞しています。需要が好転しているにも関わらず、第3四半期の販売高は前年同期比7%減となりました。原料コストの値下がりが消費者にそのまま反映されたこともあり、販売価格も下落しました。化学部門の総売上は2009年第3四半期に前年同期と比べて16%減少し、25億9,100万ユーロを計上しました(2008年第3四半期:30億8,200万ユーロ)。コストの削減が成功したことに伴い、EBITDAは前年同期から16%増加し、50億500万ユーロを計上しています(2008年第3四半期:43億400万ユーロ)。
エネルギー部門の売上は、売上高の減少と石炭価格の下落に伴い、前年同期から35%減少して5億6,200万ユーロを計上しました(2008年第3四半期:8億7,000万ユーロ)。EBITDAは前年同期とほぼ変わらず、1億ユーロを計上しています(2008年第3四半期:1億200万ユーロ)。
不動産部門の総売上は第3四半期に微増し、9,500万ユーロを計上しました(2008年第3四半期:9,400万ユーロ)。EBITDAは300万ユーロ増加して、4,900万ユーロを計上しました(2008年第3四半期:4,600万ユーロ)。
経済危機と財政危機によりグループの9ヶ月間の業績が後退
2009年最初の9ヶ月間の連結データは、明らかに現在の経済危機と財政危機の影響を受けています。グループ全体の売上は、主に需要の大幅な落ち込みと市場価格の下落に伴い、21%減少して95億9,000万ユーロに縮小しました(2008年第3四半期:120億7,100万ユーロ)。グループのEBITDAは前年同期から約19%減少し、14億6,800万ユーロを計上しました(2008年第3四半期:18億1,400万ユーロ)。売上高に起因する減少がコスト削減の成功によって大きく相殺されました。純利益は2億1,100万ユーロを計上しており、非中核事業からの投資引き上げによる高利得の押し上げを受けた昨年同期の5億9,200万ユーロを大幅に下回る結果となりました。
キャッシュフローが9ヶ月間で約4倍に―純負債が大幅に減少
エボニックの流動資産を守る活動が一定の効果を上げています。今年最初の9ヶ月間に事業活動によるキャッシュフローは4倍近くに増加して12億5,900万ユーロになり、2008年の最初の9ヶ月間の数値から3億3,300万ユーロ増加しました。主な原因は、運転資金が大幅に減少したことです。
エボニックは2009年の最初の9ヶ月間のキャッシュフローから、5億2,200万ユーロの設備投資を行うことに成功しました。地域別にみると、主な資本投下はドイツ国内で行われており、全体の67%を占めています。最大の単独プロジェクトは、ドイツのデュイスブルク=ワルサムにヨーロッパで最先端の750メガワットの石炭火力発電所を設立するものです。また、設備投資の18%はアジアに投下されました。アジア地域の最大のプロジェクトは、中国の上海でのプレキシグラスおよびプレキシグラスの半製品の総合生産施設の建設です。また、エボニックは豊富なキャッシュフローを利用して2億8,000万ユーロの2008年度の配当金を支払っており、2008年末と比較して純負債が4億9,800万ユーロ減少し、40億8,500万ユーロまで縮小しました。エンゲル会長は「弊社は今回の経済危機を乗り切る能力があることを実証しており、信頼を勝ち取ることができました」とコメントしています。その一例として、エボニックは10月に5年満期の7億5,000万ユーロの社債を初めて発行しました。その結果、「この様な経済危機の状況にも関わらず、多少の余裕を作り出すことができました」とエンゲル会長は話しています。
2009年の見通し
今後数ヶ月間の展望についてエボニックは慎重な見方を崩していません。グループ全体では化学部門の一部ビジネスラインで若干の好転が見込まれていますが、広範囲にわたる健全な回復は予想されていません。全体的にみて、エボニックは経済不況に起因する化学製品の売上高の大幅な減少の結果として、2009年の年間売上が実質的に減少すると予想しています。EBITDAについては、2ケタ前半のパーセンテージの減少が予想されていますが、当初の目標である3億ユーロを上回る短期的なコスト削減により、一部相殺される見込みです。純利益は、非中核事業からの投資引き上げに伴う高利得が含まれた前年の数値を大幅に下回る見通しです。
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エボニックインダストリーズについて
エボニック インダストリーズ AGは「化学」「エネルギー」「不動産」の3つの収益性の高い有望な事業を展開するクリエイティブなグループです。エボニックはスペシャリティケミカルのグローバルリーダー、石炭や再生可能エネルギーによる発電のエキスパート、そしてドイツでは最も大きな個人向け不動産会社のひとつです。私たちの強みは創造性・専門性・自己革新力・信頼性です。エボニックインダストリーズは世界100ヶ国以上で活動しており、2008年度は41,000人の社員を有し、総売上高は159億ユーロ、EBITDA (金利・税金・償却前利益)は22億ユーロを計上しました。
免責事項
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