Press release
Japan
November 20, 2014

2014年1月1日~9月30日/2014年第3四半期 業績発表

2014年第3四半期は厳しい環境にありながらも好調 – 営業利益は過去数四半期と比べて目に見えて改善

 
2014年第3四半期の主要データ: 
▪ 売上高は1パーセント増の32億ユーロ – 販売価格がわずかに下落し、販売数量は一段と増加 
▪ 調整後EBITDAは前年比で微減するも過去数四半期と比較すれば5億100万ユーロとはるかに改善 
▪ 調整後利益は前年比3パーセント増の2億1,300万ユーロ

2014年第3四半期累計期間の主要データ: 
▪ 売上高は2パーセント増の約97億ユーロ 
▪ 調整後EBITDAは14億ユーロと堅調なレベルながら、販売価格の下落により好調だった前期値を下回る 
▪ 調整後EBITDAマージンは14.7パーセント 
▪ 調整後純利益は19パーセント減の5億6,100万ユーロ 
▪ 2014年度の見通しを確認

エッセン:「経済環境がますます悪化する中、エボニックは好調な業績を達成しました。営業利益は今年になって明らかに上向いており、第3四半期は前期をわずかに下回る水準でした。世界経済が減速しているにもかかわらず、当社製品の需要は旺盛でした」。エボニック インダストリーズのクラウス・エンゲル取締役会長は、本日、グループ全体の2014年第3四半期および第3四半期累計期間の主要財務データの発表にあたってこう語りました。

グループ全体では、2014年第3四半期累計期間で売上高は増加しました。営業利益は前期比増加しましたが、一部重要製品の販売価格が低下したため、第3四半期累計期間では好調だった前年の水準を下回りました。

全体的には経済成長は鈍化していますが、エボニックは通年見通しを確認しています。最初の成長投資が完了するため、年内は販売数量の拡大が続く見込みです。価格面では、これまで明らかだった安定化が今後も続いていくとエボニックは予測しています。一部の事業では価格の上昇傾向がうかがえます。それでも、そうした傾向は価格の推移が当初の予測レベルを依然として下回っているスペシャリティマテリアルズ部門にはあてはまりません。全体として、エボニックは売上高がわずかながら高まり(2013年:127億ユーロ)、調整後EBITDAが18億ユーロから21億ユーロ範囲(2013年:20億ユーロ)の上方レベルではなく下方レベルになると想定しています。

2014年第3四半期累計期間の業績 

2014年第3四半期累計期間は、世界経済の成長が予測を下回りました。第2四半期に失速した世界経済は、第3四半期も低迷が続きました。

2014年第3四半期累計期間で、当グループの売上高は2パーセント増加しました。これは販売数量の増加(4ポイントによるものでしたが、販売価格は下落しています(マイナス2ポイント)。通貨レートの影響(マイナス1ポイント)を考慮した場合、売上高は1パーセント増の96億9,100万ユーロ(2013年第3四半期累計期間:96億1,900万ユーロ)となりました。 

調整後EBITDAは、前年度の16億2,000万ユーロから12パーセント減少し、14億2,500万ユーロとなりました。一部重要製品の販売価格が下落したことが、その主な原因です。そのため、調整後EBITDAマージンは16.8パーセントから14.7パーセントに下がりました。

マイナス1億4,400万ユーロの調整は、主に投資プロジェクトの定例見直し後に打ち切られたスペシャリティマテリアルズ部門の2つのプロジェクトとIAS第19号(2011年)に基づく段階的早期退職制度のための引当金の増加に伴う支出を中心とした再編費用や減損損失に関連したものです。前年値はマイナス3億2,400万ユーロで、再編費用と引当金の設定がその主な内訳でした。

税引前利益(継続事業)は5パーセント下がって6億3,300万ユーロとなりました(2013年第3四半期累計期間:6億6,300万ユーロ)。税引後利益(非継続事業)は1,100万ユーロ減少しました。これは、主に2014年9月に売却したSTEAGの残る49パーセントの株式から得られた営業利益とリチウムイオン事業に関連するものです。前年値は13億7,700万ユーロで、2013年7月の不動産事業の売却による収入がその主な内訳です。結果として、第3四半期累計期間の純利益は、非常に好調だった前年度の19億5,900万ユーロを大きく下回る4億1,600万ユーロとなりました。

調整後純利益は、継続事業の業績を反映して、19パーセント減の5億6,100万ユーロでした(2013年第3四半期累計期間:6億9,400万ユーロ)。そのため、調整後の一株当たり利益は1.49ユーロから1.20ユーロに下がっています。

2014年第3四半期累計期間は、営業利益の減少に伴い、営業活動によるキャッシュフロー(継続事業)も2億4,400万ユーロ減少し、5億9,100万ユーロとなりました。非継続事業によるキャッシュフローを算入すると、営業活動によるキャッシュフローは2億4,400万ユーロ減の6億2,200万ユーロでした。

資本支出は、4パーセント増の7億5,300万ユーロとなりました(2013年第3四半期累計期間:7億2,500万ユーロ)。市場での主導的な地位を拡大するため、エボニックは生産能力増強に新たに乗り出しました。上海(中国)のイソホロン・イソホロンジアミン複合生産コンビナートには、1億ユーロ超の資金を投じています。イソホロン化学誘導品は、例えば重防食塗装の寿命を延ばし、環境にやさしいコーティング技術の促進にも役立っています。ラヨーン県(タイ)およびチェスター(米国)では、湿式シリカの拡大生産プラントが稼働を開始しました。低燃費タイヤとライフサイエンスの応用事業が成長の主な原動力となっています。中国の吉林では、年間230,000メートルトンの生産能力がある過酸化水素の新プラントが操業を開始しました。過酸化水素の供給を受ける隣国の中国パートナーは、新たに建設されたプラントで、エボニックとThyssenKrupp Industrial Solutionsが開発した革新的プロセスに基づき酸化プロピレンを生産することになります。

エボニックが2014年9月末に報告した2014年6月30日現在の純金融負債は1億5,000万ユーロで、純金融資産は4億1,600万ユーロでした。これは、主に第3四半期に売却したSTEAG株の購入代金を受領したことによるものです。

2014年第3四半期の業績

経済環境が悪化する中、2014年第3四半期は、エボニック製品は世界的に旺盛な需要に恵まれ、販売数量が一段と増加しました。過去数四半期にわたり顕著だった一部重要製品の価格下落傾向は弱まりました。調整後EBITDAは、前年度にはわずかに及びませんでしたが、2014年第1四半期および第2四半期と比べれば目に見えて改善しています。特にコンシューマー、ヘルス&ニュートリション、スペシャリティマテリアルズ部門で、前数四半期よりも収益が増加しています。

2014年第3四半期におけるグループの売上高は、1パーセント増の32億4,300万ユーロでした(2013年第3四半期:31億9,800万ユーロ)。販売数量は増加(2ポイント)しましたが、販売価格の下落(マイナス1ポイント)によってやや相殺され、売上高は1パーセントの上昇となりました。

調整後EBITDAは、前年比3パーセント減の5億100万ユーロとなりました(2013年第3四半期5億1,700万ユーロ)。調整後EBITDAマージンは、16.2パーセントから15.4パーセントに下がりました。

調整後純利益(継続事業)は、3パーセント増の2億1,300万ユーロでした(2013年第3四半期:2億600万ユーロ)。調整後の一株当たり利益は0.44ユーロから0.46ユーロに上がっています。

残りのSTEAG株の売却

エボニックは、純粋なスペシャルティケミカル企業としての側面をさらに強化しています。エボニックは9月初めに残りのSTEAG株49パーセントをライン・ルール地域にある都市公共施設の共同事業体に約5億7,000万ユーロで売却しました。STEAG株は、KSBGからコールオプションを行使する意向であるとの通知がなされた2014年7月半ばに非継続事業に再分類されました。
STEAGを連結から除外したことは、主にプットオプションおよびコールオプションの評価値および非連結化と関連して、収益にマイナスの影響を及ぼしました。

第3四半期累計期間の部門別業績

コンシューマー、ヘルス&ニュートリション部門 

▪ 第3四半期:販売数量は増加し、販売価格は一部製品でかなり改善 
▪ 第3四半期:調整後EBITDAは前年度とほぼ同水準 
▪ 第3四半期累計期間:調整後EBITDAマージンは19.4パーセントの好レベル

コンシューマー、ヘルス&ニュートリション部門は、主に日常的な消費財、畜産動物の栄養に関する製品、そしてヘルスケアといった分野で応用されるスペシャルティケミカルを生産しています。この部門は、コンシューマースペシャリティ ビジネスユニットとヘルス&ニュートリション ビジネスユニットで構成されています。

2014年第3四半期累計期間における同部門の売上高は、3パーセント減の30億1,500万ユーロでした(2013年第3四半期累計期間:31億1,000万ユーロ)。販売数量は増加し満足のいく水準だったものの、販売価格の下落と通貨レートの悪影響のためそれ以上に相殺される形となりました。特に畜産動物栄養用途のアミノ酸に関しては、旺盛な需要により販売数量が一段と増加しました。2012年の夏から続いていた価格の大幅な下落傾向はかなり弱まっており、目に見えて改善している製品もあります。超吸収剤の販売数量は、非常に好調だった前期の水準には及びませんでした。同部門の調整後EBITDAは、販売価格の下落と新規生産能力の立ち上げ経費により、19パーセント減の5億8,500万ユーロとなりました(2013年第3四半期累計期間:7億2,300万ユーロ)。調整後EBITDAマージンは、19.4パーセントという好調なレベルでした(2013年第3四半期累計期間:23.2パーセント)。


エネルギー効率化部門 

▪ 第3四半期:需要が大幅に高まり、販売価格は安定 
▪ 第3四半期:調整後EBITDAは前年比でさらに改善 
▪ 第3四半期累計期間:調整後EBITDAマージンは目を見張る22.6パーセントに上昇

エネルギー効率化部門は、環境にやさしくエネルギー効率に優れたシステムソリューションを提供しています。この部門は、インオーガニックマテリアルズ ビジネスユニットとコーティングス&アディティブス ビジネスユニットで構成されています。

2014年第3四半期累計期間の売上高は、3パーセント増の24億4,800万ユーロとなりました(2013年第3四半期累計期間:23億7,600万ユーロ)。主に販売数量の大幅な増加によって売上高は顕著に増加しましたが、通貨レートの悪影響がこれを相殺しました。シリカおよびシラン事業は、タイヤ業界の高需要により極めて好調な業績を維持しました。添加剤および特殊接着剤に加え、高品質架橋剤関連の事業も非常に満足のいく業績となりました。特に自動車や建設業界からの高需要が継続していることが、これらの製品の主な支援材料となっています。全体として調整後EBITDAは7パーセント増の5億5,300万ユーロ(2013年第3四半期累計期間: 5億1,500万ユーロ)となりましたが、これは主に販売数量が増加し、高い設備稼働率が達成されたためです。調整後EBITDAマージンは、21.8パーセントから22.6パーセントへと高まりました。

スペシャリティマテリアルズ部門 

▪ 第3四半期:販売数量は前年比増加し、販売価格はほぼ安定 
▪ 第3四半期:調整後EBITDAは過去数四半期に比べて増加 
▪ 第3四半期累計期間:調整後EBITDAマージンは低レベルの10.0パーセントに減少

スペシャリティマテリアルズ部門の中心は、主にゴム・プラスチック業界向けとなるポリマー素材や中間体の生産です。この部門は、パフォーマンスポリマーズ ビジネスユニットと工業用化学品 ビジネスユニットで構成されています。

この部門の売上高は、販売数量の大幅増により、2014年第3四半期累計期間で2パーセント増の35億1,000万ユーロとなりました(2013年第3四半期累計期間:34億3,100万ユーロ)。その一方で、売上高の伸長は特にブタジエンを中心とした販売価格の下落で抑制されています。販売数量が減少したのは主にメタクリル酸塩で、ポリアミド12製品の需要は引き続き安定しています。工業用化学品ビジネスユニットについては、主に中国における過酸化水素およびアルゼンチンにおけるバイオディーゼル製造触媒の新たな生産施設の稼働開始により、販売数量の大幅な増加が続いており、満足のいく結果となっています。調整後EBITDAは、主に販売価格の下落が要因となり、23パーセント減の3億5,200万ユーロとなっています(2013年第3四半期累計期間:4億5,700万ユーロ)。調整後EBITDAマージンは、13.3パーセントから10.0パーセントに下がりました。

サービス部門

サービス部門は、主に化学部門とコーポレートセンター向けのサービスを提供していますが、社外へのサービスも手がけています。

2014年第3四半期累計期間における売上高は、1パーセント増の6億6,300万ユーロとなりました(2013年第3四半期累計期間:6億5,600万ユーロ)。調整後EBITDAは、前年度の1億5,700万ユーロから1パーセント増となる1億5,800万ユーロでした。

グループの新体制の詳細

グループの新体制への移行計画は、順調に進展しています。取締役会は、マネジメントホールディングの枠組みの中でエボニックの戦略的発展に注力していきます。事業経営を差別化するため、3つの化学部門に企業家精神に基づくより大きな自由を与えます。

これらの部門は、Evonik Nutrition & Care GmbH(元コンシューマー、ヘルス&ニュートリション部門)Evonik Resource Efficiency GmbH(元エネルギー効率化部門)、Evonik Performance Materials GmbH(元スペシャリティマテリアルズ部門)の名称で独立した法人として営業活動を行います。新会社は、2015年7月1日より営業を開始します。それに備え、2015年1月1日に新経営陣が発足します。将来的には、サイトサービスはEvonik Technology & Infrastructure GmbH、戦略的イノベーション部門であるCreavis はEvonik Creavis GmbHとして運営されることになります。

エボニックは、新しい経営モデルによってこれまでの体制が大幅に改善され、各事業に有益な成長をもたらす土台となることを期待しています。

2014年の見通し

これまでの経済成長の失速と現在の世界的な経済状況を踏まえ、2014年通年では経済成長率は世界的に低下するものとエボニックは予測しています。緩やかに回復していた世界経済は、徐々に行き詰まりを見せつつあります。新興市場の構造的課題と政治的紛争や軍事衝突の継続に端を発した不確実性により、次第に成長期待が持てなくなっているためです。2014年第4四半期には、2013年に下落した生産者価格が一段と低下すると思われます。

全体的には経済成長は鈍化していますが、エボニックは2014年の通年見通しを確認しています。当グループは、売上高がわずかながらも増加し(2013年:127億ユーロ)、調整後EBITDAが18億ユーロから21億ユーロ範囲の上方レベルではなく下方レベルになる(2013年:20億ユーロ)と見込んでいます。

これまでのところ、上半期の好調な業績が下半期も継続しています。最初の成長投資が完了するため、年内は販売数量の拡大が続くはずです。価格面では、これまで明らかだった安定化が今後も続いていくとエボニックは予測しています。一部の事業では価格の上昇傾向がうかがえます。それでも、そうした傾向は価格の推移が当初の予測レベルを依然として下回っているスペシャリティマテリアルズ部門にはあてはまりません。

コスト面では、On Track 2.0効率性向上プログラムでさらに改善が見られるはずです。それに加えて、エボニックでは管理体制の効率化を目指して2013年秋に導入されたAdministration Excellenceという新たな取り組みでも好影響が初めて現れると予測しています。一方マイナス要因としては、成長投資のために増加した費用や為替レートの影響などが挙げられます。

続きはPDFファイルにてご覧ください。 

(このプレスリリースは2014年10月30日にドイツで発表されたものの翻訳版です)

エボニック インダストリーズについて
ドイツのクリエイティブな産業グループであるエボニックは、スペシャルティケミカルの世界的リーダーです。私たちの活動はヘルス・ニュートリション、エネルギー効率化、グローバリゼーションといった世界のメガトレンドに集中しており、企業の有益な成長と企業価値の増大は私たちが目指す戦略の大事な根幹となります。エボニックは革新的なプロセスと統合的な技術プラットフォームを強みとしています。

エボニック インダストリーズは世界100ヶ国以上で活動しており、2013年度は33,500人以上の社員を有し、総売上高は127億ユーロ、EBITDA(金利・税金・償却前利益)は20億ユーロを計上しました。

免責事項
このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。