Press release
Company
May 13, 2020

2020年第1四半期業績発表

エボニック、2020年度を堅調にスタート

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)は、新型コロナウイルス(Covid-19)パンデミックによる景気後退にもかかわらず、堅調に一年のスタートを切りました。

特に、成長部門であるリソースエフィシエンシーとニュートリション&ケアの2部門は、厳しい環境下でも独自路線を維持することができました。当社の第1四半期の売上高は前年比1%減の32億4,000万ユーロ、調整後EBITDA は5%減少し、5億1,300万ユーロとなりました。

取締役会長クリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「私たちは一貫して迅速な対策を行い、従業員の健康を守りながら、ビジネスオペレーションを維持してきました。エボニックは、困難な状況においても安定を追求し、お客様の信頼にお応えできるよう全力を尽くします」とコメントしています。

物流と生産面で課題に直面しているものの、自社のグローバルネットワークが奏功しています。サプライチェーンは特に大きな影響を受けておらず、政府の指示で閉鎖を強いられた小規模な拠点を除き、世界各地でほぼ制限を受けずに生産活動を行っています。

エボニックは、全拠点において、非常に厳しい衛生基準を適用しています。業務上可能な部門が在宅勤務や既存のフレックスタイムモデルを活用する環境が、非常に短時間で整備されました。社内の緊急安全委員会は、この絶えず変化する状況を注視しており、当社が新たな展開にすぐに対応できるようにしています。同時に、エボニックには十分な流動資産があり、運転資金に余裕があります。

「当社がこの3年間で行ってきたコスト削減と効率向上への取り組みが、今、成果を上げています。当社には、強力なバランスシートとかなりの流動資産があります」と、CFOウテ・ヴォルフ(Ute Wolf)はコメントしています。

第1四半期の調整後EBITDAの減少は、販売量と販売価格の低下が要因でした。さらに原油価格の大幅下落により、低需要と棚卸評価損が発生し、パフォーマンスマテリアルズ部門への負担となりました。これらを背景に、調整後EBITDAマージンは16.4%から15.8%に減少しました。

調整後純利益は27%減の1億8,100万ユーロとなり、調整後1株当たり利益は0.53ユーロから0.39ユーロに減少しました。フリーキャッシュフローは大幅に改善され、第1四半期は1億1,300万ユーロを計上しました。前年同期と比べ4,600万ユーロ減少しているのは、納税額の増加がその要因です。

新型コロナウイルスのパンデミックがエボニックの売上と収益に及ぼす影響は、第1四半期においてさほど大きなものではありませんでした。それ以降、パンデミックが世界経済にどの程度の負荷を与えるかが明確になってきましたが、本年度初めには不明確なままでした。

これを踏まえ、エボニックは2020年度通年の見通しの調整を図っています。現在、115億ユーロから130億ユーロの売上高、そして、17億ユーロから21億ユーロの調整後EBITDAを予想しています。当初は、約131億ユーロの安定した売上高、そして、21億ユーロから23億ユーロの調整後EBITDAを見込んでいました。

取締役会は、2019年度の1株あたり1.15ユーロの配当金支払い案を堅持しています。2020年6月2日に純利益の前払いとして 、1株当たり0.57ユーロが支払われる予定です。残りの1株あたり0.58ユーロは、2020年8月31日に開催予定の年次株主総会で当該決議が可決されることを条件に、2020年9月3日に支払われる予定です。

事業部門ごとの業績

リソースエフィシエンシー: 2020年第1四半期の売上高は、前年度と同水準の14億4,000万ユーロを計上しました。当部門は、過酸化水素と過酢酸のメーカーで2月の初めに買収したペルオキシ・ケム社(アメリカ)の事業を統合したことによる恩恵を享受した結果となりました。過酸化水素製品は、既存用途と消毒剤などの専門分野の両方で、全体として順調な展開を見せました。クロスリンカー(架橋剤)も、積極的な展開を見せました。新型コロナのパンデミックに起因するアジアの景気後退、ならびに自動車やコーティング分野の需要減少は、個々の事業の成長に影響を及ぼしました。特に、コーティング添加剤、タイヤ業界向けのシリカ、高性能ポリマーの売上がわずかに減少しました。 調整後EBITDAは、前年比4%増の3億4,400万ユーロとなりました。

ニュートリション&ケア: 第1四半期の売上高は、1%減の11億3,000万ユーロとなりました。家畜飼料向け必須アミノ酸は、大幅に需要が増加し、ほぼ安定した販売価格で売上を伸ばすことができました。ヘルスケアも、医薬品および機能性食品素材が好調に推移し、売上増となりました。一方、ベビーケアの売上高は超吸収体の厳しい競争の煽りを受け大幅に減少しました。調整後EBITDAは3%減の1億7,400万ユーロとなりました。

パフォーマンスマテリアルズ: 第1四半期の売上高は、9%減の4億7,200万ユーロでした。 パフォーマンスインターミディエイツの売上高は、特に自動車および石油産業の需要低迷により減少しました。さらに原油価格の大幅な下落による悪影響も受ける結果となりました。ファンクショナルソリューションズのアルコラートは、非常に好調な業績を達成しました。原油価格の大幅な下落による減損で、調整後EBITDAは57%減の2,300万ユーロとなりました。

(本プレスリリースは、2020年5月7日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2019年度は、131億ユーロの売上、21.5億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、32,000人以上の社員が働いています。

アジア・パシフィック・リージョンについて

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2019年度は、28.7億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。

免責事項

このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。