Press release
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July 19, 2023

2023年度第2四半期業績速報値

厳しい経済環境が続く中、第2四半期業績は第1四半期をわずかに上回る

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、第2四半期の業績速報値を7月10日に発表しました。調整後EBITDAは4.3億ユーロから4.5億ユーロで、第1四半期(4.09億ユーロ)からわずかに増加する見込みです。徹底した緊急対応策の実施による収益の下支えがあったものの、景気が回復せず収益は予想を下回りました。調整後EBITDAは前年同期比で約40%の減少となりました。

  • 第2四半期の調整後EBITDAは4.3億ユーロから4.5億ユーロで第1四半期をわずかに上回る
  • 長引く需要低迷により、予想以上に回復に遅れ
  • 2023年の業績予想修正では、下半期の回復は想定されない
     

取締役会長クリスチャン・クルマン(Christian Kullmann)は、「第1四半期には、年度内に事業が回復する兆しが見え始めましたが、残念ながら5月と6月は予想以上に回復が遅れました。緊急対応策により大幅な減益は食い止められたものの、世界経済の減速の影響を痛感しています」と述べています。

第2四半期は、すべての最終市場で非常に厳しい需要低迷が続き、顧客の在庫調整が続きました。販売数量は前四半期の極めて低い水準にとどまりました。しかしながら、特にスペシャルティケミカル事業においては、大部分の価格の安定を維持することができました。第2四半期のグループ売上高は、景気低迷を反映し約40億ユーロとなる見込みです。

エボニックはすでに2022年後半から、収益確保のための緊急対応策に着手しています。欠員補充の見送り、社外コンサルタントの制限、出張の削減などにより、今年度中に2.5億ユーロの経費削減を目指しています。この対応策による効果は、下半期にさらに拡大することが期待されています。

最高財務責任者(CFO)のマイケ・シュー(Maike Schuh)は、「フリーキャッシュフローについてもさらなる努力が必要で、資本支出と正味運転資本をさらに削減します」と述べています。エボニックは、長引く需要低迷を踏まえ、小規模な生産能力拡張やプロジェクトを延期または中止し、2023年度資本支出は約8.5億ユーロとなる見込みです。投資予算は、年初の時点で9.75億ユーロから9億ユーロに削減しています。

クルマン(Kullmann)は、「これほど長期にわたり販売数量が低迷し続けたのは、おそらく初めてのことです。エボニックは早い段階で緊急対応策の概略を定め、現在、その対応策を徹底して実施しています。それでも以前の見通しを達成することは難しくなるでしょう」と述べています。

需要の低迷はしばらく続き、下半期中に回復することはないと想定しています。従って、2023年通期の調整後EBITDAは16億ユーロから18億ユーロとなる見通しです。当初は、調整後EBITDAを21億ユーロから24億ユーロと予想していましたが、現在は予想範囲の下限の達成を目標にしています。

売上高は140億ユーロから160億ユーロ(以前は170億ユーロから190億ユーロ)を見込んでいます。キャッシュ・コンバージョン・レートについては、目標の約40%(2022年は32%)に引き上げる方針を堅持しています。しかし、当初目標としていたフリーキャッシュフローの大幅な増加は、営業成績の悪化により達成不可能となりました。

第2四半期業績の確定値は2023年8月10日にドイツで発表する予定で す。
 

事業部門ごとの業績

スペシャルティアディティブス部門における2023年度第2四半期の調整後EBITDAは、第1四半期から微増の約2億ユーロとなる見込みです。エンドマーケットの需要は依然として低調でしたが、第2四半期の、特にコーティング業界における顧客の著しい在庫調整はやや緩和されました。

パフォーマンスマテリアルズ部門も、MTBEおよび高吸水性樹脂の収益改善により、前期比で若干の増益(調整後EBITDAは約4,500万ユーロ)となりました。

ニュートリション&ケア部門は、前期比で引き続き減益(調整後EBITDAは約7,000万ユーロ)となりました。需要が回復する一方で、メチオニン価格は再びわずかに下落しましたが、第3四半期には安定化に転じる見通しです。年初に発表したアニマルニュートリション部におけるオペレーティング・モデルの調整により、今年度すでに約3,000万ユーロのプラス効果が見込まれています。2025年までには、全体で約2億ユーロのコスト削減を計画しています。

スマートマテリアルズ部門の業績(調整後EBITDAは約1.2億ユーロ)は、高機能ポリマー、ポリアミド12の計画的なメンテナンスに伴う操業停止によりマイナスの影響を受けました。製造プラントの総点検費用と操業停止による生産量不足で、前期比4,000万ユーロのマイナスとなりました。メンテナンス作業が無事終了したことで、第1プラントと新しい第2プラントのいずれも、7月時点でさらなる増産が可能な状態になっています。

テクノロジー&インフラストラクチャー部門および、その他事業の部門では、前期比で大幅に収益が改善(調整後EBITDAは約500万ユーロ増)しました。最大の従業員数を擁する部門であるため、緊急対応策と賞与引当金の取り崩しが当部門で最大の効果をもたらしました。

(本プレスリリースは、2023年7月 10日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。)

エボニック インダストリーズについて 

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2022年度は、185億ユーロの売上、24.9億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、34,000人以上の社員が働いています。

 

アジア・パシフィック・リージョンについて

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2022年度は、37.8億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,200人以上の社員が働いています。
 

免責事項                                        

このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AGはこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。