エボニック、オメガ3脂肪酸リジン複合体AvailOm®の優れたバイオアベイラビリティを臨床研究で確認
エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)は、粉末オメガ3脂肪酸「AvailOm®」のバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が、市販の油性エチルエステル製剤より優れていることが科学的に証明されたことを発表しました。アミノ酸のL-リジンとオメガ3脂肪酸を組み合わせるエボニックの新技術は、オメガ3脂肪酸が体内に素早く吸収され、従来のオメガ3ソフトカプセル品より5倍高いバイオアベイラビリティを実現します。
- オメガ3脂肪酸リジン複合体AvailOm®は、市販されている油性エチルエステル製剤に比べ5倍のバイオアベイラビリティ*を実現
- AvailOm®により、オメガ3脂肪酸のEPAとDHAが素早く体内に吸収されることを臨床研究で確認
- オランダの有名なワーゲニンゲン大学と共同で臨床研究を実施
エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)は、粉末オメガ3脂肪酸「AvailOm®」のバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が、市販の油性エチルエステル製剤より優れていることが科学的に証明されたことを発表しました。アミノ酸のL-リジンとオメガ3脂肪酸を組み合わせるエボニックの新技術は、オメガ3脂肪酸が体内に素早く吸収され、従来のオメガ3ソフトカプセル品より5倍高いバイオアベイラビリティを実現します。
この初となるオメガ3脂肪酸リジン複合体の臨床研究による成果は、2020年12月に学術誌“Prostaglandins, Leukotrienes and Essential Fatty Acids(プロスタグランジン・ロイコトリエン&必須脂肪酸)”[1]を通じてオンラインで発表されました。本研究は、栄養学研究と生命科学の権威として有名なオランダのワーゲニンゲン大学の研究者と共同で行われています。なお、エボニックは、研究デザインとデータ収集には関与していません。
[1] Manusama K, et al. In vitro dissolution behaviour and absorption in humans of a novel mixed l-lysine salt formulation of EPA and DHA. Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2020;164:102232.
「このヒトを対象とした研究を初めて実施した結果、オメガ3脂肪酸サプリメントの有効性を高められることを明確に証明することができました。リジン塩の形態でエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を投与する方法は、これらの重要な脂肪酸の血漿中濃度を上昇させる新規かつ効果的な手法です。さらに、オメガ3脂肪酸リジン複合体の安定性と技術的特性によって、低用量というニーズにおける新製品の開発が可能になります。この研究は、リジン複合体を使用して最適なオメガ3脂肪酸サプリメントを製造できるという非常に興味深い可能性を示しています」と、ワーゲニンゲン大学 栄養生物学教授レンゲル・ウィトカンプ(Renger Witkamp)はコメントしています。
AvailOm®の放出性と吸収性の特性は、サプリメントメーカーの処方技術と投与に新しい可能性をもたらします。高機能健康食品素材担当ディレクター クリストファー・スタッド(Dr. Christopher Studte)は、「エボニックのオメガ3脂肪酸リジン複合体は、妊婦、出産後の女性、健康な高齢者など様々な消費者層のニーズに対応し、高濃度かつ利便性の高いサプリメントの開発に伴う多くの課題を解決することができます」と説明しています。
さらに、「当社のAvailOm®のポートフォリオを活用し、サプリメント業界のお客様が差別化を図り、商業化に向けた時間も短縮できるよう、処方設計やスケールアップサービスをご提供します」と加えています。
エボニックは、AvailOm®をAvailOm®50 High DHA Algae、AvailOm®50 High DHA、AvailOm®50 High EPAの3つの異なるグレードで提供しています。すべてのグレードが認証を受けたサステイナブル供給源を利用し、海洋生態系の保護に貢献しています。
本研究に関するリンク先
https://doi.org/10.1016/j.plefa.2020.102232
エボニックは、2021年2月16日(火)、日本時間の午後11:00(米国東部標準時間の午前10時または中央ヨーロッパの午後4時) から “How novel technology is crushing bioavailability barriers in omega-3 supplementation(オメガ3サプリメントのバイオアベイラビリティの障壁を打ち破る新技術)”と題した無料ウェビナーを開催します。
ウェビナーへの参加登録用リンク
https://oncare.evonik.com/webinars/?id=600&ref=1&ch=9
オメガ3脂肪酸の形態について
市販の標準的なオメガ3脂肪酸サプリメントの多くは、EPAやDHAの精製や濃縮の面で比較的処理しやすいエチルエステルの形態をとっていますが、このような生産上の利点より、遊離脂肪酸と比較してバイオアベイラビリティが低いという難点の方が問題となるケースもあります。また、日本国内におけるオメガ3脂肪酸サプリメントは主にトリグリセリド体を用いる場合が多く、AvailOm®はこれよりも高いバイオアベイラビリティを示します。
遊離脂肪酸の形態について
遊離脂肪酸としてのEPAおよびDHAの吸収性が高いことは数年前から知られていますが、このような経口投与形は、不快で生臭い味や戻り臭(げっぷ)を伴い、また酸化に弱く有効期間が短くなる傾向があります。
AvailOm®について
AvailOm®は、遊離脂肪酸としてエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を重量比で50%含有した同クラス最高濃度のオメガ3脂肪酸粉末です。エボニック独自のプロセスで、これらの遊離脂肪酸と必須アミノ酸のL-リジンを組み合わせることにより、保存しやすく、生臭い後味がなく、幅広い最終製剤に加工できる固体複合体を形成することができます。標準的なエチルエステルのサプリメントとは異なり、AvailOm®に含まれる遊離型オメガ3脂肪酸は、胆汁酸による乳化や膵リパーゼによる加水分解を必要としないため、すぐに体に吸収されます。
* バイオアベイラビリティは、投与された薬物(製剤)が、どれだけ全身循環血中に到達し作用するかの指標。生物学的利用率(体循環液中に到達した割合、extent of bioavailability)と生物学的利用速度(rate of bioavailability)で表される。(日本薬学会HPより)
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(本プレスリリースは、2021年1月20日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)
エボニック インダストリーズについて
エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2019年度は、131億ユーロの売上、21.5億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、32,000人以上の社員が働いています。
アジア・パシフィック・リージョンについて
エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2019年度は、28.7億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。
ニュートリション&ケア部門について
ニュートリション&ケア部門の事業の焦点は、健康とQOL(Quality of Life)の向上にあります。 医薬品有効成分、医療用機器、ヒトと動物向けのサプリメント、パーソナルケア、化粧品、家庭用洗浄剤などの差別化されたソリューションを開発しています。 これらの弾力性のある最終市場で、2019年度は29.2億ユーロの売上を計上し、約5,300人の社員が働いています。当部門は、エボニック オペレーションズGmbHの一部です。
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