Press release
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May 21, 2020

エボニックとバイヤスドルフ、 人工光合成によりCO2を化粧品原料へ転換する共同研究を開始

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン)とバイヤスドルフ(本社:ドイツ、ハンブルク)は、二酸化炭素(CO2)を出発原料とするサステナブルな化粧品原料開発の共同研究パートナーシップを結ぶことに合意しました。

バイヤスドルフは、自社のカーボンフットプリントを削減できる新たな原料を模索しており、人工光合成はその選択肢の一つです。自然界の光合成をモデルに、太陽光エネルギーからもたらされる電力とバクテリアを用い、水とCO2から原材料を生成するというアイデアです。そして、本共同研究は、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)から約100万ユーロの資金提供を受けています。

バイヤスドルフの研究開発担当上級副社長メイ・シャナー博士(Dr. May Shana’a)は、「この共同研究は、当社が意欲的に取り組んでいるサステナビリティ方針に合致しています。私たちはCO2削減量が排出量を上回るクライメート・ポジティブを追求しており、循環型炭素サイクルの実現に貢献したいと考えています」とコメントしています。バイヤスドルフが化粧品原料としてCO2利用に成功することによって、カーボンフットプリントを削減するとともに、再生可能資源のための土地利用も減らすことができます。シャナーはさらに、「エボニックと共同し、どの原料が人工光合成を活用し製造でき、どの製品への応用に適しているかを見極めていきます。このようなCO2利用は化粧品業界ではまだ始まったばかりです。したがって、今回の共同研究に参画できたことを大変誇りに思います」と述べています。

エボニックの人工光合成の責任者トーマス・ハース(Thomas Haas)は、「CO2を価値ある原料を生成する際の出発原料とすることにより、まさに自然界での光合成と同様の循環型炭素サイクルが可能となります」と述べています。エボニックは、BMBFからの資金提供を受け、シーメンスとの共同プロジェクト「レティクス(Rheticus)」で人工光合成に必要な技術的プラットフォームの開発に取り組んでいます。スキンケアのスペシャリストであるバイヤスドルフとの今回の研究協力は、シーメンスとの共同研究からは独立したものであり、スペシャリティケミカルメーカーであるエボニックが、将来、人工光合成関連製品群を拡大するための機会ととらえています。ハースは、「バイヤスドルフという頼もしいパートナーとともに、サステナブルなCO2由来の製品を含むバリューチェーンを拡大していきます」とコメントしています。

この共同研究は、バイヤスドルフとエボニックがパートナーシップを組み、2019年9月に始動したBMBFのプロジェクト、パワー・トゥー・エックスII(P2X II)に参加することを意味します。P2X IIは、エネルギー転換分野におけるドイツ最大の研究イニシアチブの一つである、コペルニクス・プロジェクトの一つです。P2X IIだけで合計42ものパートナーが参画しており、再生可能エネルギーを活用した高品質な製品を製造するためのプロセス開発を目指しています。

(本プレスリリースは、2020年5月12日にドイツで発表されたものを翻訳しています。)

バイヤスドルフAGについて

バイヤスドルフAGは、革新的で高品質なスキンケア製品を供給しているグローバル企業であり、この市場で135年以上の経験があります。ハンブルクに拠点を置き、世界中で約2万人の従業員を擁し、ドイツの基準株式指数DAXの銘柄に選定されています。 2019年度の売上高は76億ユーロでした。同社の製品ポートフォリオは、世界最大のスキンケアブランド*であるNIVEAをはじめ、Eucerin、Hansaplast/Elastoplast、La Prairie.など、国際的なスキンケアおよびボディケアブランドで構成されています。世界中の何百万人もの人々が、革新的で高品質なバイヤスドルフブランドを日々愛用しています。 Labello、Aquaphor、Florena、8X4、Hidrofugal、atrix、Maestro、Coppertoneなどの幅広い有名ブランドも有します。Beiersdorfの全額出資子会社tesa SEは、各種産業用途向け、プロ向け、一般消費向けの粘着テープと粘着システムソリューションを提供する、この分野のグローバルリーダーの1つです。

* ユーロモニターインターナショナル:2018年小売におけるNIVEAブランドのベイビーケア、フェイスケア、ハンドケア製品の売上より

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2019年度は、131億ユーロの売上、21.5億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、32,000人以上の社員が働いています。

アジア・パシフィック・リージョンについて

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2019年度は、28.7億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,000人以上の社員が働いています。

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