エボニック、mRNAおよび遺伝子治療に用いられる脂質ナノ粒子(LNP)製剤のスケールアップ能力を向上

• クナウアー（KNAUER）社との提携により、脂質ナノ粒子（LNP）製剤のスケールアップ技術を合理化・改善
• 初期の前臨床開発に必要な時間を大幅短縮
• mRNAおよび遺伝子治療市場における製品やサービスをさらに拡大

エボニックの処方設計およびスケールアップの専門知識とクナウアー社の技術ノウハウを組み合わせることで、お客様はより効率的に市場投入までの時間を短縮することが可能になります。その結果、初期の前臨床開発に要する時間も大幅に短縮できます。

エボニックのニュートリション＆ケア部門に属するヘルスケア部は、ライフサイエンスや業界のリーダーとのパートナーシップを活用し、核酸ベース医薬品のイノベーションなど、バイオソリューションの製品群を拡大しています。

ヘルスケア部責任者ヤン・ダーベ（Yann d'Hervé）は、「当社は化学や処方技術に関する広範な専門知識により、mRNA（メッセンジャーRNA）および遺伝子治療の成長市場で大きなシェアを獲得しています。クナウアー社と提携することで、弊社独自のソリューションを提供する体制をさらに充実することができます」と述べています。

核酸医薬は非経口薬市場全体において大きな割合を占め、現在も拡大を続けています。エボニックは脂質およびLNP医薬品開発活動を通じて、世界中の製薬会社をサポートしています。LNPだけでもその市場規模は6億米ドル以上（最大10億米ドル）と推定され、今後10年間は継続的な成長が見込まれています

ヘルスケア部成長プロジェクト責任者のアンドレア・エンゲル（Andrea Engel)は、「クナウアー社と協力することで、非常に小規模なプロトタイプから生産規模のリード製剤、そして直接GMP（医薬品の製造管理及び品質管理の基準)に対応した医薬品生産に移行するスピードを高めることができます」と述べています。

クナウアー社は、研究および商用の高性能理科学機器で有名な企業です。エボニックは最近、同社のImpingement Jet Mixing NanoScaler Pro（IJM）という技術を導入しました。この技術は、労働力と長い時間を要する実験の必要性を低減することができ、核酸LNP製剤における長年の課題に対処するものです。また、実績のあるIJM大規模システムの導入を必要としないスケールアッププラットフォームでも、最適なLNP製剤のスクリーニングに伴う時間と材料コストを大幅に削減することができます。

クナウアー社で精製・カスタマイズソリューション部門責任者を務めるアーニャ・フース（Anja Fuss）は、「エボニックと連携することで、両社の専門分野を補完し合い、卓越した処方技術などを通して、患者様の転帰の改善につなげることができると確信しています」と述べています。

生細胞のビルディングブロックを構成する脂質は、mRNAなど核酸ベースの医薬品の効率的なカプセル化とデリバリーに不可欠です。核酸は特定の脂質で構成されたLNPに封入されます。このLNPは核酸を分解から保護し、安全に細胞内に送り込み、そこで核酸を放出させます。LNPは現在最も先進的なドラッグデリバリーシステムで、新型コロナウイルスとの闘いにおいて世界中で利用されています。

エボニック バンクーバー ラボラトリーズ（旧称：トランスフェラー・ナノサイエンス社・ノーザン・リピッズ社）は、30年近くにわたり、LNPやリポソームをベースとした製剤の医薬品受託開発製造企業（CDMO）として業界をリードしてきました。同社は、遺伝子デリバリーや先進的なナノ医薬品向けの脂質ベースの製剤の初期段階の開発、スケールアップ、製造において比類のない実績を築いてきました。エボニックのグローバルな研究・生産ネットワークを補完する拠点であり、その中には、臨床用および小規模商業生産用の少量バッチサイズの脂質を開発・製造するドイツ・ハナウのcGMP対応施設などがあります。また、米国インディアナ州・ティピカヌーの拠点では、特殊脂質の迅速なスケールアップと製造を行う新しい製造施設の建設が進行中です。

（本プレスリリースは、2024年8月 13日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。）