Press release
Health Care
February 28, 2024

エボニック、マインツ大学と核酸デリバリー用途の新たなPEG化脂質を商品化

エボニック インダストリーズ(本社:ドイツ、エッセン 以下「エボニック」)は、PEGの新クラスとなる、ランダム化ポリエチレングリコール(rPEG)の商業生産に向けて、マインツ大学とライセンス契約を締結しました。エボニックは、特殊脂質のプラットフォームにrPEGを採用し、ライセンス契約に基づき添加剤を商品化することで、お客様と市場のニーズに応えます。テクニカルグレードのrPEG化脂質は、2024年後半に発売を予定しています。

ニュートリション&ケア部門に属するヘルスケア部は、バイオソリューション、ならびにライフサイエンスリーダーとのイノベーションや共創の機会を活用することで、核酸医薬品とワクチンのポートフォリオを拡大してきました。rPEGを最初に開発したドイツのヨハネス・グーテンベルク大学マインツとの提携により、エボニックは核酸ベース医薬品開発に資する技術オプションを拡大し、お客様に提供します。

エボニックのヘルスケア部責任者トーマス・リアマイアー(Thomas Riermeier)は、「マインツ大学の科学者からrPEGに関する画期的な研究についてのお話をいただいた際、これを利用することでエボニックの処方の選択肢を広げ、お客様にメリットをもたらすことができるとすぐに認識しました」と述べています。

ポリエチレングリコール(PEG)は、治療薬のバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)、安定性、ターゲティング、および性能を改善するために、30年以上にわたって製薬業界で使われてきたポリマーです。rPEGポリマーは、PEGと同様の特性を有しています。しかし免疫原性のプロファイル改善するために設計された異なる構造を持ち、特に脂質ナノ粒子(LNP: Lipid Nanoparticle)担体用脂質などの医薬用途に適したポリマーです。

自身の研究グループのメンバーとrPEGポリマーを最初に開発したヨハネス・グーテンベルク大学マインツのホルガー・フレイ教授(Dr. Holger Frey)は、「世界中の製薬業界に対しrPEG化脂質を提供できるエボニックという熱意と経験のあるパートナーに出会うことができました」と述べています。

エボニックとマインツ大学との提携は、核酸医薬品ドラッグデリバリーに対する製薬業界の変化するニーズに応える一連の戦略的ステップにおいて、最新の取り組みとなっています。エボニックは2021年、核酸用の革新的な組織特異的デリバリー・プラットフォームの開発と処方の規模を拡大すべく、スタンフォード大学との共同研究(CARTs Technology)を開始しました。また昨年には、少量バッチサイズの特殊脂質を開発・製造する新しいcGMP対応施設をドイツ・ハナウに開設しました。さらに、米国政府と提携し、インディアナ州ラファイエットに医薬品用特殊脂質をグローバル規模で製造する工場の建設も開始しています。

PEG化脂質は現在、市販の新型コロナワクチン(mRNA-LNPワクチン製剤)に使用されています。またコレステロールやイオン化脂質、構造「ヘルパー」リン脂質とともに、PEG化脂質はmRNAなどの核酸を細胞内に効果的に送達するために必要なLNPを形成します。

製薬業界のパートナーとして、エボニックは数十年にわたり先進的なドラッグデリバリーの分野をけん引し続けています。複雑な非経口薬や経口薬の開発・製造のための包括的なサービスを提供し、世界中の製薬会社をサポートしています。これには、ポリマーや脂質等の医薬品添加剤の提供のみに留まらず、医薬品製剤の処方開発、臨床試験用医薬品の製造および医薬品の商用製造(特に非経口特殊製剤に関するCDMO/CMO機能)等が含まれます。

さらに詳しい情報は、エボニックのmRNA・遺伝子デリバリーをご覧ください。
https://healthcare.evonik.com/en/drugdelivery/mrna-and-gene-delivery

(本プレスリリースは、20242 20日付で本社から発行されたプレスリリースを翻訳しています。

エボニック インダストリーズについて 

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2022年度は、150億ユーロの売上、24.9億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、34,000人以上の社員が働いています。

アジア・パシフィック・リージョンについて 

エボニックは、世界経済を牽引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンで更なるビジネスの成長を目指しています。2022年度は、37.8億ユーロの売上を計上し、50以上の製造拠点で5,200人以上の社員が働いています。

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